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2017.09.01
公明ニュース

防災に女性視点生かす

公明新聞:2017年9月1日(金)付

女性の視点を生かした防災対策の前進を訴える古屋委員長(中央)、竹谷局長(右隣)、浮島(左隣)、佐々木(左から2人目)、伊藤(右から2人目)の各副委員長ら=31日 東京・新宿区

国・地方連携(ネットワークの力)で対策強化
避難所改善、液体ミルク普及など
党女性委員会が街頭で訴え

公明党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)は31日、「防災の日」(9月1日)と「防災週間」(8月30日?9月5日)に当たっての街頭演説会を東京・新宿駅西口で行い、古屋委員長は「国と地方の議員で連携し、女性の視点を生かした防災対策を総力を挙げて進める」と訴えた。

古屋委員長は東日本大震災での教訓として、避難所で授乳や着替えのスペースがないなど女性への配慮が欠けていたことに言及。

全国約900人に上る党女性議員を軸とした"連携プレー"によって、自治体の防災会議における女性委員の登用を推進した結果、震災当時に平均4%台だった都道府県防災会議での女性委員の割合が、昨年度は14%へと改善し、市町村でも前進していることに触れ「今後も公明党のネットワークの力を生かし、男女共同参画の視点を盛り込んだ防災・減災対策を進める」と力説した。

さらに、お湯などが不要な「乳児用液体ミルク」について、災害時の活用が期待されているものの、国内で製造されていないことから「早期の国内製造を促していく」と述べ、普及をめざす考えを示した。

また、今月11日に発災から丸6年半を迎える東日本大震災の被災地の復興加速、各地で頻発している豪雨災害の抜本的な対策強化に全力を注ぐ決意を訴えた。

竹谷とし子女性局長(参院議員)は30年以内に70%の確率で起こるとされる首都直下地震に備え、「自宅で避難できるよう、1週間分程度の食料の備蓄が大切になる。ぜひ取り組んでほしい」と呼び掛けた。公明党として、賞味期限間近の備蓄物資の有効活用など食品ロス解消を進めていることも紹介した。

浮島智子副委員長(衆院議員)は、公明党が公立・私立学校の耐震化や防災教育の促進に力を注いできた経緯に触れ、「引き続きハード・ソフト両面から対策を進める」と述べた。佐々木さやか、伊藤孝江の両副委員長(ともに参院議員)は地域での防災対策や、災害に強い街づくりを訴えた。

演説会には、松葉多美子、栗林のり子両都議も参加した。

2017.08.30
公明ニュース

荒川流域の治水 万全に

公明新聞:2017年8月30日(水)付

東京・北区の岩淵水門を背に荒川護岸の耐震化などを視察する太田議長(右から3人目)ら=29日

太田議長ら 調節池、堤防整備を調査

公明党の太田昭宏全国議員団会議議長は29日、各地で大雨による河川の氾濫が頻発していることを踏まえ、埼玉県と東京都を流れる荒川の治水対策を調査した。竹谷とし子、矢倉克夫両参院議員のほか、薄井浩一、慶野信一両都議らが同行した。

一行は、荒川中流域にある「荒川第一調節池」(さいたま市、埼玉県戸田市)で、国土交通省の担当者から、洪水時の水量調節などについて説明を受けた。担当者は、荒川の治水対策を進めるためには、調節池をさらに整備する必要性があり、関係自治体との連携強化が課題になっていることを強調した。

その後、太田議長らは、災害対策支援船「あらかわ号」に乗り、水上から護岸や水門の耐震化を視察。下流域の治水対策に関して、東京都足立区新田で整備されている高規格堤防(スーパー堤防)の進捗状況を見て回った。

視察後、太田議長は「荒川流域には多くの人口や都市機能が集中しており、大規模水害への備えを万全にする必要がある。これからも、命を守る防災・減災対策に全力で取り組んでいきたい」と語った。

2017.08.23
公明ニュース

実績語り信頼拡大

公明新聞:2017年8月23日(水)付

山口代表が出席し開催された党東京・山梨県本部合同の夏季議員研修会=22日 東京・新宿区

ネットワーク生かせ
臨機応変な「現場力」強化も
東京・山梨の夏季研で山口代表

公明党の山口那津男代表は22日、東京都新宿区で行われた党東京都本部(高木陽介代表=衆院議員)と山梨県本部(安本美紀代表=県議)合同の夏季議員研修会に出席し、党勢拡大で最も重要なのが議員の実績だと述べ、「ネットワークを生かした政策実現を通じて、次の戦いに勝利していこう」と呼び掛けた。

山口代表は、議員が磨くべき「議員力」のうち「政策力」について、「一番説得力があるのは、公明党のネットワークを生かした政策実現のストーリーだ。具体的にどのように実現したかを語れば、聞く人は、真実味を持って聞くことができる」と強調した。その具体例として、公明議員が"開かずの踏切"解消に向け、国と都、区が連携し竹ノ塚駅(東京都足立区)の高架化を推進した実績を紹介し、「ネットワークは、ほかの党にはまねできない、公明党の持ち味だ」と力説した。

議員の「現場力」アップに向けては、今月6日に広島市を訪問した際、当初の予定を変更し、広島平和記念公園内にある韓国出身の被爆者の慰霊碑を訪れ、献花したことを報告。その模様がメディアに取り上げられたことに触れ、「一瞬の現場の判断、対応がいろいろな波及効果を生む」と訴えた。

高木都代表は先の都議選における党員、支持者への感謝を胸に、「議員力アップへ、掲げた各自の目標を達成しよう」と力説。安本県代表は、「公明新聞拡大や議会対応にエンジン全開で取り組もう」と語った。

研修会では、四つの政策テーマごとに分科会を開催。東京都医師会の平川博之副会長、認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事、東北大学災害科学国際研究所の丸谷浩明教授、国土交通省の眞鍋純大臣官房審議官(住宅局担当)がそれぞれ講演した。

研修会には、太田昭宏全国議員団会議議長、竹谷とし子参院議員が出席した。

引き続き行われた臨時都本部大会では、太田議長が、「各議員が地域の課題を解決し、信頼される"地域の柱"になろう」と強調。政策実現では、「行政関係者や有力者などとの『自分自身のネットワーク』を広げることで実現力が増す。住民の喜びが自分のエネルギーになるという思いで、日常活動を頑張ってほしい」と力説した。

高木都代表は、葛飾区議選(11月12日投票)の公認予定候補9氏を紹介した。

2017.08.22
公明ニュース

女性の視点で防災対策 公明党

公明新聞:2017年8月22日(火)付

「防災の日」と「防災週間」を記念した街頭演説会で防災・減災対策を訴える党女性委員会のメンバーら=16年8月31日 都内

防災会議の委員に登用を
聞き取り調査を基に訴え

間もなく「防災週間」(8月30日?9月5日)と「防災の日」(9月1日)を迎えます。女性の視点を生かした防災対策を進める公明党の取り組みを紹介します。

女性の視点を防災対策に生かすということは、子どもや高齢者など社会的弱者の視点を生かすことであり、地域の防災力向上につながります。

1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災においては、避難所で女性用の物資が不足したり、授乳や着替えのためのスペースがなかったり、プライバシーが確保されていないなど、女性の視点から見て不十分な運営状況がありました。

こうしたことを繰り返さないために、公明党女性委員会は東日本大震災発生後の11年8月、女性防災会議を立ち上げました。

女性防災会議はまず、公明党の全女性議員が一丸となり、女性の視点からの防災行政総点検を実施しました。防災対策は国だけでなく、地方自治体の取り組みが重要であるからです。

ネットワークの力を生かし、658自治体の防災担当部署を対象に聞き取り調査を行った結果、女性の視点が防災対策に生かされていない実態が明らかになりました。

これを受けて女性防災会議は、調査結果を基に、政府に対して2度の提言を実施。国会においては地域防災会議に女性を登用しやすくするよう、災害対策基本法を改正しました。その後、各地の地方議会で多くの地方議員が後押しし、13年4月時点で防災会議に女性委員がいない都道府県はゼロになりました。しかし、市町村防災会議では、女性委員がいない自治体が16年時点で26.7%あります(内閣府調査)。今後、女性委員がいない自治体を解消するとともに、会議に占める割合を高めていく必要があります。

リーダーの育成を進める

東京都は防災ブック発行へ

昨年4月に発生した熊本地震では、発生直後、避難所に女性専用の休養スペースがない、女性や子どものニーズが反映されていないといった実態がありました。党熊本県本部女性局(藤岡照代局長=熊本市議)は同年5月16日、熊本県と熊本市に対し、女性の視点を反映した復旧・復興に関する要望書を手渡しました。

要望の内容は(1)避難所運営会議への女性の参加(2)災害弱者が安心して過ごせる避難所の環境改善(3)被災した親子への心のケア強化―など。要望を受けて熊本市は、避難所運営会議のメンバーに女性を登用するなどの対策を取りました。

地震などの災害はいつ起こるか分かりません。平常時に地域の女性防災リーダーを養成し、いざというときに対応できる体制をつくっておく必要があります。

16年6月、内閣府男女共同参画局は「男女共同参画の視点からの防災研修プログラム」を取りまとめ、全国の自治体を対象にした説明会を開催しました。党女性防災会議は、この研修プログラムを活用し、各地で女性防災リーダーの養成講座を開催していけるよう訴えてきました。党内閣部会(佐藤茂樹部会長=衆院議員)も、女性リーダー研修を行うための予算確保を政府に求めてきました。

一方、東京都は今年5月23日、「女性の視点からみる防災人材の育成検討会議」の初会合を開催。都が求める人材像を定め、女性防災リーダーの裾野を広げる研修プログラムをまとめる方針です。この他に、女性に防災への関心を広げるためのシンポジウムや、防災の基礎知識を身に付けてもらうセミナーを行います。

また、都は「女性視点の防災ブック」の作成にも乗り出しており、来年3月までの発行をめざしています。これは昨年12月、都議会公明党の提案を小池百合子知事が受け入れ、17年度予算に盛り込まれたものです。

公明党は過去の教訓を生かし、女性の視点を反映した防災対策に全力で取り組んでいきます。

2017.08.21
公明ニュース

農家の「収入保険」導入へ

公明新聞:2017年8月21日(月)付

収入保険制度の創設に向け、農業者から意見を聞く党農林水産部会のメンバーら=今年5月 福島市

公明推進で19年産から

農家の経営安定対策として公明党が提案してきた「収入保険制度」が、2019年産の農産物から実施される。先の通常国会での改正農業災害補償法の成立によるもので、政府は、制度の周知徹底を進めている。この保険制度の仕組みや導入の背景を解説するとともに、政府の検討会議で委員を務める東京大学大学院農学生命科学研究科の中嶋康博教授に制度の意義や課題を聞いた。

価格下落時の損失補う

概要

収入保険制度は、自然災害による収量減少に加え、豊作で農産物の市場価格が下落した際、収入の減少分を補てんする新たなセーフティーネット(安全網)だ。農家が自らの経営努力では回避できない価格低下などのリスク(危険)に対して、収入を下支えすることで経営の安定を後押ししていく。

対象品目は、コメなど全ての農産物とし、農業共済制度など既存の補償制度では対象とならない露地野菜や果樹などもカバーする。加入できるのは原則、5年間継続して青色申告(簡易な方式を含む)を行っている農業者(個人と法人)だが、実績が1年であっても認めるとしている。

収入保険制度の補償内容

補償内容は、農業者ごとの過去5年間の平均収入を基準収入として、その8割台を確保できる仕組みを設計。財源は、国と農家が拠出する保険金と積立金を充てる。

補償限度額と支払率(9割が上限)は、農業者が保険料負担を考えて補償内容を選択できるようにするため、一定の上限の下に複数の選択肢が設けられている。例えば、補償限度額を基準収入の9割に設定した場合、その金額よりその年の収入が下回れば、支払率に応じた補てん金が支払われる。基準収入の1割までの部分は自己責任として補償対象外となる。

収入保険への加入は農業者が任意に選択できる。補てん金の財源は保険方式(保険料掛け捨て)と積み立て方式(繰り越し可能)を併用し、保険料の50%と積立金の75%は国庫補助で賄う。また、コメや畑作物を対象として収入減を補う収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)など既存の類似制度は維持され、農業者はどちらかを選択して加入することになる。

収入保険の加入申請の受け付けは、2018年秋から実施される予定。これまで青色申告をしていなかった個人の農業者が、19年から加入を希望する場合、17年分(1年間)の農業所得について青色申告を行わなければならず、翌18年の確定申告期限までに税務署での申請が必要となる。

これまでの「共済」には限界

背景

収入保険制度導入の背景にあるのは、農家や関係団体から、農業共済の見直しを求める声が上がっていたことだ。古くから農家の経営安定に貢献してきたが、自然災害による収量の減少を対象としており、市況の変化で作物の価格が下落した場合には適用されない。対象品目も限られ、農業経営全体を見据えた支援策としては十分ではなかった。

こうした問題意識から、収入保険の導入について公明党が2010年以降の国政選挙で重点政策に掲げ、国会質問でも積極的に訴えてきた。これが後押しとなり、政府は13年にまとめた農政改革の一環として導入を検討する方針を決定。14年度から導入に向けた調査・検討に着手し、毎年度、関連予算を計上して保険料水準の設定など具体的な制度設計に取り組んできた。

また14年に成立した改正担い手経営安定法の附則には、公明党の主張によって、法施行後3年をめどに農産物収入の著しい変動が農業経営に及ぼす影響を緩和する施策のあり方について、農業共済制度を含めて検討し、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講じると規定された。

政府は昨年11月、農家の所得向上などを促す「農業競争力強化プログラム」の柱の一つに制度の仕組みを明記。先の通常国会で、制度創設を盛り込んだ改正農業災害補償法が成立した。

制度の意義は

強い農業経営 後押し 食生活の変化に伴う生産品目の多角化に対応
中嶋 康博 東京大学大学院教授に聞く

中嶋康博・東京大学大学院教授

―収入保険制度導入の意義について。

中嶋康博教授 時代とともに農業経営が変化したことに合わせた措置だ。

特に意欲のある担い手にとって、規模を拡大したり販売収入を増やしたりする中で、市況の変動による作物の値下がりというリスクがつきまとうと困る。人為的にコントロールできない価格面に対応し、所得を補償する収入保険のようなパッケージとしての政策が求められていた。これは、"強い農業経営"をつくる上で欠かせない。

―農業経営の変化とは。

中嶋 コメの消費が年々減るなど食生活での需要が大きく変化し、作物を供給する農家の経営も稲作中心から野菜栽培への比重を増やすなど多角的、複合的に展開されるようになってきた。ただ、政府による収入安定への支援措置は作物ごとに異なっており、支援対象とはならない作物の方が収入の大部分を占める農家も増えてきた。農家の経営全体を支えないと困るとの問題意識から収入保険が出てきたのだろう。

―収入保険と従来の支援制度との兼ね合いについて。

中嶋 既に品目ごとに収入の安定を図る措置があることを踏まえて、それらを組み合わせた複合経営に取り組む農家に目配りしたことは評価したい。一例が畜産と農作物を営む農家であれば、畜産の部分は肉用牛肥育経営安定特別対策事業(牛マルキン)を使って、農作物については収入保険の対象となっていることだ。

一方で、品目が限定されるが、ナラシ対策など既存の支援制度だけで構わないという農家は確かにいる。そうした対策を統合して収入保険に変えていくべきという声もあるが、現段階では乱暴な議論だ。実際に制度の運用を始めてから徐々に問題点を洗い出し、改善の必要があれば取り組んでいけばいい。

―制度の対象者が青色申告を実施する農業者となったことは。

中嶋 農家の収入を正確に把握する必要があるため、納税の際の青色申告を使うのが今回のポイントだ。ただし、青色申告をする農家が少ないことは否めず、制度を運営する上での課題だろう。

とはいえ制度の導入に伴い、農家の収入の増減を把握するために政府が何か別の組織を作ったり、新たな制度を設けたりするのは、コスト面などで難しい。

―収入保険の導入を踏まえ、今後の農業経営で重視すべき点は。

中嶋 農家は当然、良いものを作って売るというプロとしての仕事に懸命だが、農産物の価値が認められて高く売れるかが重要だ。そのために、販売先と事前に品質と価格条件を打ち合わせた上での直接の契約取引を進める事例が増えている。市場取引の中では価格面の不安定性があり、せっかく良いものを作ったのに高く売れなかったりすることがある。政策的な対応として、乱高下する価格面を収入保険で支えることになるが、農家は直接取引も検討してほしい。

―農業の成長産業化をめざす政府・与党に今後、期待する政策は。

中嶋 将来の担い手となる若者世代の農業参入を促す政策は、以前からかなり手厚く取り組んできており、継続してほしい。

収入保険も、新規参入者が抱えるリスクへの備えとして重要だ。そうした若者が儲けを出し、農業を続けようと思ってもらえるようにする政策的な目配りを期待している。

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