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2022.03.02
公明ニュース

コロナ禍で悪化する女性の雇用環境、どう改善するか

日本女子大学 周燕飛教授に聞く

長期化するコロナ禍が、女性の雇用に深刻な影響を及ぼしている。今後の見通しや必要な対策などについて日本女子大学の周燕飛教授に聞くとともに、竹谷とし子・公明党女性局長(参院議員)のコメントを掲載する。

男女格差、改めて浮き彫りに
経済の回復遅らせる要因にも

コロナ禍での男女雇用の変化

――コロナ禍が始まって以降の女性の雇用環境の現状をどう見るか。

周燕飛・日本女子大学教授 2020年11月にNHKと労働政策研究・研修機構(JILPT)が実施した雇用に関する共同調査によると、解雇や労働時間の減少といった雇用の悪化が起きた人は、男性が18.7%、女性は26.3%だった。非正規社員に限ると女性は33.1%になる。

雇用の悪化が男性よりも女性に顕著だったことが分かる。いわゆる「シーセッション(女性不況)」と呼ばれる現象が起きた原因は、大きく三つあると考えられる。

一つ目は、飲食や宿泊サービス、観光、娯楽などコロナの影響をもろに受けた対面サービス型産業に女性が多いことだ。こうした産業ではコロナ不況のあおりを受けて、解雇や雇い止め、シフト減に遭う人が多い。

二つ目は、家庭における旧態依然とした男女の役割分担の慣習で、働くことを控えざるを得ない女性が増えたことだ。コロナで外食の機会が減り、保育所の休園、小・中・高校の休校などで家事と育児の負担が増えたことがその背景にある。

三つ目に、男女の雇用形態の差がある。女性は、雇用調整の対象になりやすい非正規就業者が多い。21年12月の労働力調査では雇用者の非正規比率は女性が54.3%と男性の22.1%を大きく上回る。

いずれもコロナ禍以前からある構造的な課題だが、コロナ禍で、より浮き彫りになった。この危機をチャンスに変え、本腰を入れて男女間雇用格差の是正を進めていくべきだ。

ミスマッチ解消、キャリア形成支援など長期的視点で「質」の見直しを

――女性の雇用悪化が社会に与える影響は。また、影響は長期化しそうか。

 女性の雇用悪化は家計収入にダイレクトに影響し、社会全体の消費モードの低下をもたらすことになる。ひいては、コロナ禍からの実体経済の回復を遅らせることに。

共働き世帯は今や約1200万世帯。専業主婦世帯は約560万世帯なので倍だ。共働き世帯の収入に妻の収入が占める割合は、正規の妻で42.7%、非正規の妻でも23.8%に上る。女性の収入減が家計を逼迫させるのは明白だ。

現在の雇用情勢は、20年の最悪期からは脱している。ただ、昨年も緊急事態宣言を繰り返しており、影響の長期化について注視しなくてはならない。

――今後の見通しは。政府の政策の方向性はどうあるべきか。

 コロナ禍以前は、女性の就業率は改善し、男女の賃金格差も縮まりつつあった。こうした基調はコロナ禍が収束すれば、徐々に戻ってくるだろうが、停滞の可能性も十分あり得る。

それを避けるためには、女性雇用における「質」の改善に向けて、長期的な視点に立った政策が必要だ。

今は、雇用調整助成金や休業支援金といった支援策で雇用全体を守っているが、今後は「ジョブ・クリエーション(雇用創出)」支援を進めるべきだ。

特に、長時間労働など「グリーディ・ワーク(貪欲な働き方)」をしなくても、女性がきちんとキャリアを積み上げられる、やりがいのある仕事を増やすことが急務だ。

――具体的には、どのような政策が必要になるか。

 雇用ミスマッチの解消や、新成長分野を育てることだ。キャリア形成に向けた支援も重要になるだろう。

あとは、長時間労働の要因である、対面重視、人によった属人的な業務内容などの日本的な職場慣習を見直す機会にもしてもらいたい。さらなるテレワークの普及、仕事の分担を容易にできるよう業務の標準化などを進め、働き方の改革を進めなくてはならない。

デジタル人材の育成に注力
自治体の取り組みも後押し
党女性局長 竹谷とし子 参院議員

党女性局長 竹谷とし子 参院議員

コロナ禍が長期化する中で、非正規などで働く女性を中心に、減収や失業などで困窮する人が増えています。

公明党は、女性デジタル人材育成に取り組んでいます。デジタル分野の仕事は、2030年に最大79万人が不足するとの経済産業省の調査があります。

デジタル分野の仕事は一見、ハードルが高そうですが、トレーニングを受ければ、子育てや介護などでフルタイムで働けない場合も、時短や在宅で何歳でも仕事ができます。女性が力を発揮できる分野だと考えています。コロナ禍で大きく社会構造が変化している今がチャンスです。希望する女性がデジタルのスキルを習得し、仕事に挑戦できるよう政策で後押ししていきます。

ひとり親や未経験者を対象にした研修、就労支援など全国の先駆的な取り組みを調査し、昨年の衆院選の政策に、「女性デジタル人材育成10万人プラン」(仮称)を掲げました。

昨年末に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に、「女性デジタル人材育成の推進」との項目が盛り込まれ、デジタル社会推進会議において女性デジタル人材育成プランを策定することが発表されました。

また今国会で審議中の22年度予算案には、21年度予算に続き、女性のデジタルスキル向上や就労の支援に地方自治体が活用できる「地域女性活躍推進交付金」が計上されています。

公明党の国と地方のネットワークの力を存分に生かしながら、デジタル分野での能力開発と就労支援策を総合的なパッケージとして策定するよう政府に求めていきます。

注目集める求職者支援制度

利用者の7割超が女性

コロナ下における働き手の支援策として、特に女性の注目を集めているのが昨年12月に拡充された国の「求職者支援制度」だ。

生活費として月10万円の給付金(収入などの要件あり)を受け取りながら、無料の職業訓練を受けられる。要件を満たさない人も無料訓練のみ受けられる。

対象は、パートやアルバイトなど雇用保険の適用がなく失業給付を受けられない離職者や、失業給付の受給が終わった人、フリーランス・自営業を廃業した人などだ。現在は要件が緩和されて、転職せずに正社員やスキルアップをめざす人も特例で対象となっている。2020年度の利用者状況は、女性が全体の7割超を占める。

株式会社「mitoriz」が2月に行った、非正規で働く女性799人を対象に行った調査では「求職者支援制度」について、「利用経験あり」が4.6%、「利用経験はないが興味がある」が52.8%だった。

6割近い非正規労働者の女性が利用経験や関心を持っており、興味・関心の高い制度となっている。

雇用守る"安全網"公明が推進し実現

求職者支援制度は、雇用保険と生活保護の間をつなぐ「第2のセーフティーネット(安全網)」として、公明党の推進で11年に始まった。コロナ下では深刻な打撃を受けている非正規労働者の再就職を支えている。

昨年12月の要件緩和についても、公明党が政府への要望を繰り返し、先の衆院選の重点政策の一つにも掲げて実現につなげた。

しゅう・えんび

1975年中国生まれ。労働政策研究・研修機構主任研究員などを経て、2021年より現職。大阪大学国際公共政策博士。著書に『母子世帯のワークライフと経済的自立』(JILPT研究双書)、『貧困専業主婦』(新潮社)など。主な研究テーマは「女性労働」と「子どもの貧困」。

2022.03.01
公明ニュース

ジェンダー巡り若者と意見交換

イベントで竹谷氏ら

公明党の竹谷とし子女性局長(参院議員)らは28日、参院議員会館で、ジェンダー(社会的性差)課題などを巡って国会議員と30歳未満の若者が意見交換するイベントに出席した。

席上、竹谷氏は経済的な理由で生理用品を買えない「生理の貧困」支援に取り組んできたことを紹介。その上で「さまざまなジェンダー課題の解決へ、若者の声を原動力にしながら政策を推進する」と語った。

同イベントは公益財団法人ジョイセフの協力などで開催された。

2022.02.28
公明ニュース

3月1日から「女性の健康週間」

党都女性局、オンライン講座を開催
竹谷氏が出席

講座に出席し、あいさつする竹谷氏=27日 都内

公明党東京都本部女性局(局長=松葉多美子都議)は3月1日から8日の「女性の健康週間」を前に、26、27の両日、オンラインで「女性のステップアップ講座」を開催した。これには竹谷とし子党女性局長(参院議員、参院選予定候補=東京選挙区)が出席した。

このうち27日には、健康長寿に向けた高齢者のフレイル(虚弱)予防をテーマに、都健康長寿医療センター高齢診療科の岩切理歌部長が講演。岩切氏は、タンパク質を積極的に取る食事と適度な運動が必要とした上で、集いの場で「さまざまな人との会話を楽しむことが重要だ」と説明した。

このほか、26日に「デジタル変革」で、アクセンチュア・イノベーションセンター福島の中村彰二朗・センター共同統括、27日には「食品ロス削減」でジャーナリストの井出留美氏がそれぞれ講演した。

2022.02.27
公明ニュース

障がい者、情報得やすく

施策推進に向け法案了承 
党合同会議

障がい者の情報取得などに関する法案を了承した党合同会議=25日 衆院第1議員会館

公明党の厚生労働部会(部会長=伊佐進一衆院議員)、内閣部会(同=国重徹衆院議員)、障がい者福祉委員会(委員長=三浦のぶひろ参院議員)は25日、衆院第1議員会館で合同会議を開き、超党派の議員連盟がまとめた、障がい者の情報の取得・利用や意思疎通に関する施策を総合的に推進する法案を了承した。

同法案は基本理念として、障がい者ではない人と同じ内容の情報を同じ時点で取得できるようにすることなどを掲げている。

議連幹事長の山本博司参院議員(公明党)は、多くの障がい者団体からの要望を基に法案をまとめてきた経緯に触れ「法律を作ることで(情報取得に関する機器の提供など)十分に進んでいない分野にも支援を拡充していける」と力説。今国会での成立をめざす考えを強調した。

2022.02.26
公明ニュース

村のジャガイモ焼酎を販売

構想20年
特区法改正で実現 東京・檜原村

吉田社長(左)から販売されている焼酎の説明を聞く竹谷氏(中)と浜中村議

竹谷氏ら製造施設へ

東京都檜原村で今月、村内で栽培が盛んなジャガイモを使った焼酎「ひ乃はら物語」の販売が始まった。構想から約20年、完成を阻んでいた酒税法の規制緩和を推進した公明党の竹谷とし子参院議員(参院選予定候補=東京選挙区)は16日、浜中由造村議と製造施設を訪れた。

都心から電車で約2時間ほどの位置にあり、面積の9割以上が森林に囲まれた檜原村。今回の構想は2003年7月、村内に「じゃがいも焼酎開発研究会」が設置されたことにさかのぼる。村内での焼酎製造をめざしたものの、すぐに法律上の規制の壁に直面した。

酒税法では、焼酎の酒造免許を得るには最低でも年間10キロリットルの製造が必要と定めており、03年当時の状況では、村内で製造することは不可能。そこで代替案として、05年から北海道で、16年からは長野県で、それぞれ檜原村産のジャガイモを使用した焼酎製造を行っていた。

状況が変わったのは17年6月。構造改革特別区域法の一部が改正され、地域の特産品を使用した焼酎であれば、酒税法上の規制は適用されなくなったことから、村内での製造が可能になった。これを受け、19年3月にジャガイモ焼酎の製造事業を進めるための計画を策定。製造施設の設計などに着手した。昨年7月には、製造施設である「ひのはらファクトリー」を開設。同10月に焼酎の初蒸留が行われた。

100%村内産のジャガイモを原料とした待望の焼酎は、製造施設と村内の五つの酒店で、500ミリリットル瓶に入れられ、合わせて220本販売(アルコール度数25度)。このうち製造施設では120本を店頭に並べ、即日完売の好評ぶりだった。次回は3月2日に同施設で販売予定で、度数や瓶のサイズも種類を増やしていく方針だ。

施設を運営する株式会社ウッドボックスの吉田光世代表取締役社長は「この焼酎をきっかけに、多くの人に檜原村を知ってもらいたい」と意気込む。

公明、規制緩和リード

規制緩和に積極的に取り組んだのが公明党だ。竹谷氏は、檜原村に先駆けて特区認定された東京都青ケ島村を15年11月に訪問。当時の村長との意見交換で、法律の壁により、地元産の原料を使用した焼酎造りができないことなどを聞いた。

これを受け竹谷氏は、16年10月の参院予算委員会で「地元の特産品を使った焼酎などを造りたいとの要望がある。実現させるためには、規制緩和が必要だ」と主張。これに対し麻生太郎財務相(当時)は、規制緩和を前向きに検討する意向を示し、構造改革特別区域法改正につながった。

ひのはらファクトリーを訪れた竹谷氏は、「村の資源を生かした素晴らしい焼酎が完成し、大変にうれしく思う。今後、より地域振興が進むよう後押ししたい」と話した。

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