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2023.05.31
公明ニュース

「すべての女性のためのトータルプラン」

党女性委員会の提言(要旨)

公明党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)は18日、同委員会の「ウイメンズトーク」に寄せられた声や有識者との意見交換などを踏まえてまとめた「すべての女性のためのトータルプラン」を政府に提言した。その要旨を紹介する。

松野博一官房長官(中央右)に提言を申し入れる古屋委員長(左隣)ら=18日 国会内

■1、あらゆる分野でジェンダー平等を推進

(1)男女共同参画の推進

「第5次男女共同参画基本計画」の中では、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう新たな目標を掲げている。それを踏まえ、早急に指導的地位に占める女性の割合3割を達成し、将来的には5割をめざし、環境整備を行うこと。さらに女性差別撤廃条約の実効性を高めるための選択議定書の早期批准を実現すること。

(2)男女間の賃金格差是正

公明党の主張で、301人以上の事業主について男女の賃金の差異の把握・公表が義務化された。実効性ある同一労働同一賃金の徹底、非正規から正規社員への転換、女性の働く環境整備、女性の能力開発などをさらに進め、男女の賃金格差是正に取り組むこと。

(3)選択的夫婦別姓の導入

夫婦別姓を望む当事者のためにも、男女共同参画の象徴ともいえる選択的夫婦別姓を可能とする法改正を行うとともに、旧姓の通称使用拡大やその周知に取り組むこと。婚姻や離婚などによる名字(姓)の変更に伴う官民の各種手続きの負担軽減のため、国として民間の協力を得ながら名字(姓)変更のワンストップ化を進めること。

(4)男性の育休取得率の向上と育休制度の拡充

22年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」がスタートした。現行の政府目標を大幅に引き上げ、25年に1週間以上の育休取得率で公務員85%、民間50%を達成するため、男女ともに一定期間、実質収入100%給付が受けられる制度の創設や同僚への育休応援手当創設など、育休を取得しやすい職場環境を整備するための支援を抜本的に拡充すること。

(5)育児中の時短勤務手当の創設

育児のため通常の勤務時間で働くことが難しい人が仕事を続け、徐々に本格的な復帰をめざせるよう、育休明けで子育てのため勤務時間を短くして働く人向けに、時短勤務手当などを創設し、育児との両立、就労意欲の低下防止、就労の継続や通常勤務復帰によるキャリア形成を後押しすること。

(6)性犯罪対策と性暴力・DV被害者支援

DV(配偶者などからの暴力)・ストーカー・性暴力などあらゆる暴力を根絶することは女性活躍の大前提であり、強力に施策を推進すること。「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」に基づき、「集中強化期間」で実施された取り組みを踏まえ、女性に対する、あらゆる暴力を根絶するために、性犯罪の厳罰化、被害者支援の充実、未然防止に引き続き取り組むこと。その際、当事者や支援団体などからのヒアリングなどにより継続的に実態把握・フォローアップし、支援策に反映させていく仕組みを構築すること。

(7)痴漢対策の推進

公明党の要望を踏まえて策定された、政府の「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」を着実に実施すること。女性専用車両・防犯カメラの増設、痴漢防止アプリなどのICT(情報通信技術)を活用した鉄道における安全対策のさらなる推進、学校における対応の改善、ワンストップ支援センターの拡充と周知など被害者保護、加害者に対する再犯防止プログラムの実施など、関係省庁が連携して痴漢撲滅に向けた取り組みを抜本的に強化すること。

(8)ひとり親家庭への支援

児童扶養手当の拡充、経済的基盤を整えるためのリスキリングや多様な就労支援、メンタルヘルスケア、子どもが高等教育を受ける機会を阻害しないよう、ひとり親家庭への包括的支援を検討すること。高等職業訓練給付金の拡充を図ること。また、ひとり親家庭のさまざまな不安・負担の軽減のために、家賃貸付をはじめとする住居支援や子どもの預かり、見守り強化などを充実すること。

■2、生涯にわたる教育支援

(1)リカレント教育・リスキリングの充実

希望に応じて誰もが必要な能力・スキルを身に付け、就業機会の拡大につながる環境整備を進めること。特に、女性のライフイベント、ライフステージに応じたリカレント教育の充実に取り組むこと。社会人の学び直しを促進するため、費用、時間、成果の評価などの環境整備、大学・専門学校などを活用した実践的プログラムの開発・拡充など、産学官が一体で社会変革を促すこと。

(2)デジタル教育の充実

誰もが豊かで安全なデジタルの恩恵を享受できるよう、基礎的なITリテラシー(情報技術を使いこなす力)の習得の機会を確保し、デジタル活用支援の充実などを図ること。パソコンなどの学習は認知機能強化や、コミュニケーション量の増加など、認知症予防につながると期待されるため、中高年の認知症予防にパソコンを用いたデジタル教育を取り入れ、年金以外の収入を得られるよう中高年のデジタル教育充実を図ること。

■3、女性の経済的自立支援

(1)社会的ニーズの高い仕事への就労支援

家事・子育てや介護の経験を生かして、ニーズの高い産後ドゥーラなど産後ケアをサポートする人材、ベビーシッター、家事支援ヘルパーになるために必要な研修受講を支援するなど、柔軟に働ける環境整備に取り組むこと。子育てしながら夫婦ともフルタイムで働く世帯が、家事・育児サービスを利用する場合に、その費用を税控除の対象にすることなどを検討し、家事・子育てや介護の社会化・外注への理解と普及に努めること。

(2)起業家教育・スタートアップ支援の充実

アントレプレナーシップ(起業家精神)教育について、小・中・高・大学の幅広い段階で充実するとともに、国際展開も見据えた起業支援プログラムを強化し、大学・高専などにおける起業環境を整備すること。スタートアップ(新興企業)の育成については、ロールモデルの創出やネットワーキングの参加機会の確保など、女性起業家への支援を強化すること。

(3)キャリア教育・職業教育の充実

社会人・職業人として自立できる人材を育成するため、進路を考える15歳までに、体系的かつ充実したキャリア教育・職業教育を推進すること。その際、さまざまな困難を理由に、最初から希望をかなえられないと考えている子どもたちに、多様な支援などの情報を提供し、必要な支援・助言につなげ、人生に生かせる職業教育へと強化・充実させること。

(4)デジタル人材育成の加速化

就業の受け皿となるIT企業などと連携し、企業が求めるSAP(基幹システム)などのデジタルスキルを公的職業訓練で提供し、eラーニングを後押しし、全国どこに住んでいても受講できるようにすること。

■4、生涯にわたる健康支援

(1)プレコンセプションケアの充実

結婚・妊娠・出産・子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであり、個々人の決定に特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりしてはならないことに十分留意すること。また、多様な性のあり方の尊重を踏まえた上で、まだ出産することを決めていない女性も含め、妊娠前の女性やカップルに対する健康管理「プレコンセプションケア」の推進を学校教育、行政、助産師会などと連携し整えること。

(2)生理の公平の実現

無償配布などの取り組みを一過性、地域限定のものから、全国的、日常的、普遍的サービスに変えていくため、生理用品の無償配布を継続・拡充すること。学校や公共施設、不特定多数の人が利用する施設の女性トイレへの生理用品の配備拡大に取り組み、必要な時に誰も困らない社会をめざすこと。

(3)妊娠・出産後の支援、労働環境整備

働く女性の妊娠期間における支援・環境整備を進めていくこと。企業や働く女性向けに、生理休暇制度の活用、つわり、不育症、流産、死産などの場合に母性健康管理措置などによる休業が可能であることなど、さまざまな情報を提供して周知啓発を図ること。

(4)更年期の女性守る対策

女性活躍を推進する上で、更年期の女性を守り、支える対策を取ることが社会に求められている。対象年齢の健診に「簡易更年期指数(SMI)」を必須化し、ホルモン補充療法(HRT)などアクセスしやすい医療体制の整備や、更年期障害など女性の健康維持に向けた知識啓発と社会の認識を深めるために教育の場で学ぶ機会をつくり、相談窓口の整備を進めること。

■5、妊娠・出産・子育てへの切れ目ない支援

(1)不妊治療、不育治療の支援拡充

不妊治療の一部保険適用に関し、相談・カウンセリングを含め、有効性・安全性が確立したものについての保険適用拡大や国庫補助制度の創設など、さらなる経済的負担の軽減を図ること。加えて、有効性や安全性が確立した不育治療については、迅速に保険適用を進めること。

(2)リトルベビーハンドブックの充実

2022年9月、母子手帳の見直し方針について検討会の「中間報告書」が提出された。最新の知見を踏まえた改定を行い、より多くの自治体で電子母子手帳の導入ができるよう支援するとともに、低出生体重児のための「リトルベビーハンドブック」の地方における作成を支援すること。

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2023.05.19
公明ニュース

女性トータルプランを提言

ジェンダー平等、経済支援など 
官房長官に党委員会

松野官房長官(中央右)に提言を申し入れる古屋委員長(左隣)ら=18日 国会内

公明党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)は18日、国会内で松野博一官房長官に対し、同委員会の「ウイメンズトーク」で寄せられた声や有識者との意見交換などを踏まえてまとめた「すべての女性のためのトータルプラン」の実現に向けた提言を手渡した。松野官房長官は「多岐にわたる重要な提案だ。各省庁に伝え、しっかり取り組む」と応じた。

提言は、ジェンダー(社会的な性差)平等や、生涯にわたる教育や健康の支援、経済的自立支援などの五つを柱に据えた。

ジェンダー平等では、政治や経済などあらゆる分野での男女共同参画の推進や、男女間賃金格差の是正に向けた実効性ある同一労働・同一賃金の徹底などを要請。教育支援では、女性のライフイベント、ライフステージに応じたリカレント教育(社会人の学び直し)の充実を訴えた。

このほか、女性活躍には賃金水準が高く安定した仕事が不可欠だとして、女性デジタル人材育成の加速化を提案。更年期の女性を守る対策や、妊娠・出産、子育てへの切れ目ない支援の拡充に向けた政策も盛り込んだ。

「資料はこちら」

2023.05.10
公明ニュース

自治体の脱炭素化促す

環境省、先行地域を新たに16カ所選定 
国の交付金で支援

「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」の倍増などを山口壮環境相(当時、中央左)に要請する公明党環境部会のメンバー=22年8月 環境省

自治体の脱炭素化の取り組みを促進――。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向け、環境省は全国に先駆けて2030年度までに民生部門の電力消費に伴う二酸化炭素(CO2)の排出量実質ゼロをめざす「脱炭素先行地域」の選定を進めている。4月28日には、鳥取市など16カ所を新たに選び、観光地での太陽光やバイオマス発電による再生可能エネルギーの供給などを後押しする。

脱炭素先行地域に選ばれた自治体には、国の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」が配分され、再エネ設備やCO2を削減する設備の導入など、5年程度継続した支援を受けられる。環境省は22年以降、先行地域の募集を順次実施。3回目となる今回を含め、62カ所を選定している。西村明宏環境相は4月28日の記者会見で、次回の募集は8月ごろに予定しているとした上で「25年度までに少なくとも100カ所の選定に向けて継続的に募集を行いたい」と述べた。

公明党は21年8月、環境部会が環境省に対し、地域の脱炭素の取り組みを促す交付金の創設など、複数年度にわたる継続的な支援を要請。これを受け、22年度予算に「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」(200億円)の創設が盛り込まれた。また、22年8月には党環境部会が同交付金の倍増を環境省に要請。これを受け、22年度第2次補正予算、23年度予算合わせて、地域の脱炭素を進めるための交付金(計400億円)が計上された。

2023.05.03
公明ニュース

各地で「憲法記念日」街頭演説

人権、平和 公明が守る
核の使用と威嚇許さず
山口代表ら訴え

憲法が掲げる平和主義の下、核廃絶への取り組みを進めると訴える山口代表(中央)ら=2日 東京・池袋駅東口

3日の憲法記念日を前に、公明党は2日、全国各地で街頭演説会を開催した。山口那津男代表は「憲法に定められた『国民主権』『基本的人権の尊重』『恒久平和主義』の三つの原理は、これからも長く保たれるべき大切な原理だ」と力説。その上で、核廃絶に向けて、19日から広島市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)で議長国を務める日本が「核兵器の使用と威嚇を許さないという国際社会の流れを積極的にリードしていく必要がある」と力を込めた。=2面に党アピール

■広島サミット 廃絶への道、一歩前進を

【東京】山口代表は池袋駅東口で、核廃絶に向けた日本の取り組みについて、核保有国と非保有国の橋渡しを行い、対話によって核軍縮を進める役割があると力説。核兵器の使用と威嚇を防ぐための具体的な政策としては「すべての国が『核の先制不使用』の合意をつくることが核廃絶に向けた一歩になる」と訴えた。

また、山口代表は、今回のG7サミットが被爆地・広島で開催される意義に触れ、「各国の首脳が広島平和記念資料館を訪れ、被爆の実相を五体で感じ取ってもらい、核兵器の使用がいかに非人道的なことであるか。これが核廃絶の確固たる根拠になり得ることを確認してもらいたい」と強調した。

核兵器禁止条約を巡っては、日本の「非核三原則の規範を高めたものだ」と評価した上で「核保有国が加盟する核兵器不拡散条約(NPT)で合意と信頼をつくり上げ、一歩一歩、核軍縮を進める中で、核兵器禁止条約を批准する環境がつくられていくべきだ」との考えを示した。

LGBTなど性的少数者への理解増進法案や同性婚を巡る議論については「日本が包摂性に富んだ社会をつくっていくならば、具体的な制度を整備していく必要がある」と指摘。「議論を尽くし、合意形成に汗をかいて、多様性を認め合う豊かな社会をつくっていく」と力説した。

2023.04.14
公明ニュース

女性に寄り添う公明

痴漢撲滅、政府を挙げて 
党提案を受け、初の網羅的な政策集

若い女性の悩みに寄り添い、これまで多くの政策を実現してきた公明党。今年3月には、公明党の提案を受けて政府が「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」をまとめた。同パッケージの概要を紹介するとともに、若い女性に関する公明党の実績を紹介する。

政策パッケージのポイント

若い女性に最も身近な性犯罪、性暴力である痴漢をなくすため、政府は3月30日、今後の施策をまとめた「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」を策定した。

内閣府の担当者によると、男女共同参画基本計画には、警察庁と国土交通省が担当する痴漢対策は盛り込まれていたものの、「内閣府と法務省、文部科学省も含めた5府省庁を横断する形で、痴漢に特化した対策を網羅的に取りまとめたのは今回が初めて」という。

パッケージでは、「痴漢を防ぐ」など五つの柱の下、具体的な施策を掲げた【図参照】。被害の実態把握や再犯の防止など、公明党の要望が大きく反映された。

それぞれの施策は、これまで各府省庁で行われてきたものも多いが、今回のパッケージ策定により、政府を挙げて痴漢撲滅に取り組む体制として、5府省庁による「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ実行連絡会議」の開催が明記された。

これまで女性専用車両の導入をはじめ、痴漢対策をリードしてきた公明党は、パッケージ策定を強力に進めてきた。

22年6月2日に竹谷とし子女性局長(参院議員)が参院内閣委員会と厚生労働委員会の連合審査会で、関係府省庁横断で痴漢対策を講じるよう主張。政府側から「22年度中に痴漢撲滅パッケージを策定し、政府を挙げて痴漢対策に取り組む」との答弁を引き出した。

策定に向けては、党女性委員会と青年委員会、ストーカー・DV・性暴力等対策推進プロジェクトチームが、日本若者協議会(室橋祐貴代表理事)のメンバーや関係府省庁と協議を重ね、今年3月17日に小倉将信・内閣府特命担当相(男女共同参画)に要望書を提出していた【写真】。

当事者の声反映、高く評価
日本若者協議会 室橋祐貴 代表理事

日本若者協議会 室橋祐貴 代表理事

今回、政府が対策パッケージをまとめたことを高く評価したい。痴漢は被害者が泣き寝入りすることが多く、実態が分かりにくい。

公明党は、女子高校生らも参加する私たち日本若者協議会を、関係府省庁の担当者が並ぶ党会合に招き、意見・要望を直接、訴える場を何度も作ってくれた。そのおかげで、政府側と対話ができ、意見がパッケージに反映された。非常に画期的で、とても感謝している。

東京都では、都議会公明党と連携して、都営地下鉄大江戸線への女性専用車両導入を実現できた。引き続き、公明党とも協力しながら、対策の強化を進めたい。

こんな実績も

〈生理用品の無償提供〉

経済的理由などで生理用品が購入できない「生理の貧困」。公明党は2021年3月にいち早く国会で取り上げ、政府に実態調査や生理用品の提供支援を提言。こうした国政の動きと連動し、各自治体でも生理用品の無償提供を推進した。

その結果、「生理の貧困」に関する取り組みを実施する自治体数は、22年7月時点で全体の約4割に広がっている。

〈女性デジタル人材育成〉

公明党は、コロナ禍が女性の就業に大きな影響を与えたことや、デジタル人材の需要が高まっている状況を踏まえ、「女性デジタル人材育成プラン」(2022年4月)の策定をリード。各自治体の取り組みに活用できる「地域女性活躍推進交付金」を確保した。

公明党の地方議員が同交付金を活用した取り組みを各議会で積極的に訴え、実現に導いている。

〈ストーカー被害防止〉

恋愛感情や、それが満たされなかった恨みから付きまといなどを繰り返すストーカー行為の防止へ、公明党は2000年の規制法制定と、その後の3度にわたる法改正を一貫して推進してきた。

当初は物理的接近のほか電話やファクスなどが規制対象だったがメールやSNSにも対象を拡大。21年の法改正ではGPS(全地球測位システム)の悪用を禁止した。

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