真の男女共同参画 実現めざす
竹谷とし子局長に聞く
竹谷とし子党女性局長(参院議員)
公明党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)は今月9日、菅義偉首相に対し、提言「真の男女共同参画社会の実現へ すべての女性が安心して希望を持って生きられる社会をめざして」を申し入れました。その趣旨などについて、竹谷とし子党女性局長(参院議員)に聞きました。
提言のポイント
――提言の意義や目的を教えてください。
竹谷 党女性委員会は今年、全国各地でオンラインなども活用し、さまざまな立場にある女性の声に耳を傾けるウイメンズトークを実施しています。提言は、現場で寄せられた声を踏まえ、全ての女性が安心して希望を持って生きられる社会をめざし、政府が年末に向けて策定する「第5次男女共同参画基本計画」に反映させることを目的の一つとして、取りまとめたものです。橋本聖子男女共同参画担当相にも、同様の提言を手渡しました。
――重点的に進める政策は?
竹谷 まずは、「不妊治療、不育治療の支援の充実」です。党女性委員会は2000年4月に不妊治療の公的助成を求める署名活動を展開し、03年に与党で合意して、04年度から助成がスタートしました。今回は不妊治療への保険適用の拡大をはじめとする支援の充実を求めました。一方、仕事との両立で多くの人が悩んでいる実態を踏まえ、企業への理解促進、フレックス勤務や年次有給休暇の時間単位取得の実現を求めました。事実婚カップルの不妊治療への支援や不育治療の保険適用なども提案しました。
また、男性の家事・育児参加へ、国として全ての男性が育児休業を取得できるようにするとともに、男性版「産休」の創設も提案しています。併せて、男性にいきなり休めと言っても、かえって女性に負担が掛かってしまうようでは本末転倒なので、父親のための育児講座の普及などの支援を行うべきだという意見も頂戴し、提言に盛り込みました。しっかり取り組んでまいります。
――ほかには。
竹谷 男女共同参画社会をさらに進めるため、選択的夫婦別姓の導入をめざします。また性的少数者(LGBTなど)をはじめ、多様性を尊重する環境づくりも重要です。一方、30代以下の女性の自殺が増えていることから、不安や悩みを抱える若い女性への相談体制の充実を求めています。コロナ禍の影響を踏まえ、女性の減収、失業、ひとり親家庭の貧困、DV(配偶者などからの暴力)の対策も最優先で講じるべきです。
子育て支援では、出産育児一時金(現在は42万円)の50万円への増額や多胎児・多子世帯の負担軽減などを求めました。また、健康診査の結果や予防接種などを記録データとして残せるよう母子手帳の電子化の推進を盛り込みました。災害時などにも有効です。このほか、予期せぬ妊娠で、居場所を失ってしまうなどのリスクのある妊婦への支援を進めるとともに、希望しない妊娠を防ぐには、緊急避妊薬が重要なので、薬剤師の関与の下、薬局で購入できるよう検討を求めました。
SDGsの視点を踏まえ、環境を守る政策や持続可能な社会の構築に向けて、例えば、身近な課題として、学校給食で提供される紙パック入り牛乳のストローの廃止や紙ストローへの代替、紙おむつのリサイクルなど、地方と連携して進めていきます。
――今後の取り組みと決意を。
竹谷 提言は出して終わりということではありません。今後も引き続き、ウイメンズトークを行っていきますので、現場の意見を踏まえ、より良い形で実現できるように取り組みたいと思います。
また今回、女性の視点からの提言ですが、わが党の場合、男性議員も一緒に推進できることが強みです。公明党の国と地方のネットワークを生かし、幅広く進めてまいります。