技術と経験、世界で共有
山口代表ら、カンボジアの施設へ
【シェムリアップ14日=渡邉勝利】公明党の山口那津男代表を団長とする党東南アジア諸国連合(ASEAN)訪問団は13日夜、ラオスの首都ビエンチャンから空路で最後の訪問国であるカンボジア・シェムリアップに到着した。山口代表は14日午後、日本が機材提供や人材育成などで貢献してきたカンボジア地雷対策センター(CMAC)(メモ)平和博物館を視察し、ヘン・ラタナ長官と活発に意見を交わした。視察には、党訪問団の竹谷とし子女性委員長(参院議員)、中川康洋地方議会局次長(衆院議員)が同席した。
■ウクライナ復興への弾みに
地雷除去の技術を視察する山口代表(中央左)ら=14日 シェムリアップ(撮影・渡邉勝利)
席上、ラタナ長官は、長年、日本の支援を受けてきたCMACとして培ってきた地雷対策の知見について、コロンビアやラオス、中東、エチオピアなどで生かされていることに言及。来月には、ロシア軍が埋めた地雷が多くあるウクライナから人材を招き、訓練する予定だとして「国際協力を進めていく」と強調した。
日本がカンボジアとも協力し、地雷の被害リスクを回避する教育や地雷の除去、被害者をサポートするといった包括的な支援に取り組む方針を発表したことには、「日本のイニシアチブを全面的に支持し、協力する用意がある。できるだけ早く協力ができることを望んでいる」との考えを示した。
山口代表は、CMACの蓄積した技術と経験を生かし、ウクライナなど第三国で貢献していく重要性を力説。「ウクライナの人々のために実績が重なっていくことを期待している」と訴えた。
次いで一行は、ラタナ長官らの案内で博物館の展示施設や、地雷除去技術のデモンストレーションを見て回った。
視察終了後、記者団に対し、山口代表は「紛争地域が復興していくために一番先にやらなければならないのが地雷の除去であり、積極的に取り組んでいるのが日本だ」と強調。その上で「日本にしかできない活動、CMACが実践で蓄えたことは人類の大切な資源として生かしていく。平和が最終的に定着するよう、公明党も引き続き支援に取り組む」と語った。
"メモ" カンボジア地雷対策センター(CMAC)
カンボジアの地雷除去活動を担う公的機関。機材供与や人材育成などのため、日本が長年にわたり無償資金協力を実施してきた。これらの支援で蓄積した知見をCMACが第三国へ共有する取り組みも行われている。
医療向上、日本の支援で
日本の支援で運営される病院を視察する山口代表(手前左端)ら=14日 シェムリアップ
シェムリアップ州病院を視察
【シェムリアップ14日=渡邉勝利】公明党の山口那津男代表ら党東南アジア諸国連合(ASEAN)訪問団は14日、日本の資金協力や技術支援などを通じて運営されているカンボジア・シェムリアップ州病院を訪ね、医療関係者らと意見を交わした。
この中で同州のクロス・サラット保健局長やペン・パルクン院長は、インフラ整備や機材提供、人材育成など日本の継続的な協力に謝意を表明。新たに4階建ての手術センターが完成し、226人の患者を受け入れられるようになったとして「技術レベルの高い手術が可能になった」「救命救急の向上に非常に役立っている」などと成果を報告した。
この後、一行は、一般・救急外来や入院フロアなどを見て回り、看護師らとも懇談した。
山口代表は「人材育成など日本との交流もさらに幅広い分野で行う必要がある。これからも日本の支援を公明党が推進していく」と語った。
党訪問団は同日夕、日本の技術支援で整備されたシェムリアップ浄水場も視察した。