性別変更 手術以外の要件が妥当
法改正 当事者中心で検討すべき
党PT、識者から見解聴く
特例法改正の論点について南氏(左端)の見解を聴く党PT=18日 衆院第2議員会館
公明党性的指向と性自認に関するプロジェクトチーム(PT、座長=谷合正明参院幹事長)は18日、衆院第2議員会館で性別変更に関する審判などに多く携わる南和行弁護士から、性同一性障害特例法改正の論点について聴いた。
同法が定める性別変更の5要件を巡っては、最高裁が昨年、生殖能力をなくす「生殖不能要件」を違憲としたほか、広島高裁が今月10日、変更後の性別の性器と外観が似ている「外観要件」も「違憲の疑いがある」とした。
この審判で代理人を務めた南氏は外観要件について、女性が男性の外観に似せる場合、形成手術が物理的に難しいなどの理由から、そのほかの4要件などを満たしていれば変更が認められるケースが一般的だったと指摘。一方、男性が女性の外観に似せる場合は性器の切除などをしなくてはならず、生物学的な性別によって適用のハードルが異なっていたとして、高裁決定も踏まえ「手術ではない要件への変更が妥当ではないか」と述べた。
さらに南氏は、特例法改正の方向性について「当事者の意思や生きづらさを中心に考えるべきだ」との認識を示したほか、性別変更の判断を医師だけに委ねるのではなく、裁判官も責任を持つ必要性を強調した。
会合では、自認する性での一定期間の生活や治療継続を新たな要件とすることの是非などについて、参加議員と南氏が意見を交わした。