所有者不明土地 活用を
公明新聞:2017年11月9日(木)付
政府、来年にも法改正へ
党プロジェクトチームが初会合
公明党の所有者不明土地問題等対策プロジェクトチーム(PT、座長=大口善徳国会対策委員長)は8日、衆院第2議員会館で初会合を開催した。
相続登記が適切に行われていないために持ち主が直ちに判明しないなどの所有者不明土地は現在、九州の面積を上回る約410万ヘクタールとされ、2040年には約720万ヘクタールに増えると見込まれている。
こうした土地が農業や林業の生産性向上を妨げている損失額や、税の滞納額などを基に算出した経済的損失は、16年時点で約1800億円。40年には約3100億円に膨らみ、累計では約6兆円になるという。
大口座長は、所有者不明土地問題について「公共事業の進捗が遅れるなど地域で大きな問題になっている」と主張。経済対策の観点からも「課題解決にしっかり対応したい」と述べた。
国土交通省は、明確に反対する人がいない場合に、簡単な手続きで5年間の利用権を取得できる新制度を検討していることを強調。来年の通常国会に特別措置法案の提出をめざしていると説明した。
農林水産省は、相続未登記の農地は、1人の法定相続人が固定資産税を全て負担しているケースが8割に上ることに言及。こうした管理費用の負担者が土地を有効に利用できる法改正を進めていく考えを示した。
出席議員からは「災害時に所有者不明土地を使える現行制度との関係を整理すべき」「5年という利用権の期間延長も必要」などの意見が出された。