妊娠期から18歳まで 子育て支援の新拠点
発達や教育の悩み解消
東京・渋谷区
区の担当者から話を聞く古屋氏(左から5人目)ら
東京都渋谷区に2日、妊娠期から18歳までの子どもがいる全ての子育て世帯に切れ目なく支援する新拠点「渋谷区子育てネウボラ」(8階建て、延べ床面積4558平方メートル)がオープンした。区は、地域一丸となって子どもを育てることをコンセプトに、施設へ多種多様な機能を備えた。オープンに先立ち、公明党の古屋範子副代表(衆院議員)、竹谷とし子参院議員、高倉良生、松葉多美子両都議、渋谷区議が視察した。
部署を集約、ワンストップで
「渋谷区子育てネウボラ」は、保健所、子ども家庭部、教育委員会など、これまで子育てに関わる事業を相互に連携しながら実施してきた各部署が1カ所に集約。ワンストップで支援が受けられるよう、横断的に子育て支援を展開する。
施設では、妊娠期から18歳までの子どもと家族を対象に、保健師を中心に専門職員が相談に応じる。離乳食の作り方や子どもの発達障がいの早期発見・療育、子どもの教育に関する悩み事など、親が安心して子育てに励めるよう多岐にわたり対応できる体制を整えている。
このほか、施設内に区が民間事業者に運営を委託する「渋谷区神南ネウボラ子育て支援センター」を開設。ここでは、乳児から高齢者までの多世代が交流できるカフェスペースのほか、子どもが楽しめる大型遊具を設置している。事前予約制で、短期の預かり保育も実施する。
古屋副代表らは、建物内を回り、相談室や子どもの遊び場、健康状態を確認する検査室などを視察した。
区の担当者は「子育ての拠点として十分に機能するよう取り組みを進めていきたい」と話していた。古屋副代表は「妊娠・出産・育児を切れ目なくサポートする重要な拠点だ。今後も子育て支援の充実を後押ししていく」と語った。
これまで区は第2美竹分庁舎内で「渋谷区版ネウボラ」を2019年5月にスタートさせ、子育てに関わる施設を一部集積。併せて、保健師が妊娠している区民と妊娠・出産・子育てを一緒に考える「妊婦面接」を実施し、育児に必要な衣類や体温計などをそろえた「育児パッケージ」を贈呈するなど、妊娠期から親子に寄り添う支援に取り組んできた。その上で、区は各部署の情報共有と連携に関する課題を研究し、新拠点の完成をめざし準備を進めてきた。
公明が強力に推進
区の子育て施策の充実について、区議会公明党(久永薫幹事長)は会派を挙げて推進してきた。特に15年12月定例会で久永幹事長が、地域で支える子育て支援の仕組みとして、渋谷区独自のネウボラの実施を提案したのをはじめ、議会質問や予算要望を通じて一貫して訴えてきた。