当選無効となった国会議員 歳費返納を義務付け
起訴・勾留で支給停止も
法改正骨子、野党に協議呼び掛けへ
公明案もとに与党プロジェクトチーム合意
自民、公明両党の与党歳費法に関する検討プロジェクトチーム(PT)は26日、衆院第2議員会館で会合を開き、公職選挙法違反の罪で当選無効となった国会議員の歳費返納を義務付ける法改正に向けた骨子案をまとめ、合意した。公明党から同PT共同座長を務める西田実仁選挙対策委員長らが出席した。今後、与党は法改正に向け野党に協議を呼び掛ける方針。
歳費返納を義務付ける法改正の骨子案をまとめた与党プロジェクトチーム=26日 衆院第2議員会館
骨子案では、国会議員が選挙犯罪で当選無効となった場合、歳費を保障する憲法の規定を踏まえ、歳費と文書通信交通滞在費の4割、期末手当の全額を国庫に返納させることとした。
国会議員が起訴・勾留された際は、全額に近い水準の歳費のほか、期末手当と文書通信交通滞在費の全額の支給を停止。無罪になれば、不払い分を支給する。
会合終了後、西田共同座長は記者団に対し、起訴・勾留時に支給停止となる歳費の割合について、憲法に違反しない範囲で全額に近い額を念頭に野党と真摯に協議を進めていく考えを表明。与党で骨子案を取りまとめたことについては「国民の素朴な感情と、憲法とのバランスをいかに取るかを深く議論し、合意をつくるプロセスを踏めたことに大きな意義がある。他党にも声掛けし、合意形成に汗をかきたい」と語った。
歳費返納を義務付ける法改正を巡っては、2019年参院選での買収事件で有罪が確定し、当選無効となった国会議員が歳費を受け取っていたことに疑問の声が上がっていたことを受け、公明党が検討に着手。今年5月に具体案をまとめ、自民党など各党に提示した。その後、与党で議論を深めるための協議体を設置するよう自民党に提案し、6月に同PTの初会合を開催。8月中の意見集約をめざし、精力的に議論を重ねてきた。