「二地域居住」普及促す
企業やNPOの活動を支援
25年度に国交省
斉藤鉄夫国交相(左から4人目)に概算要求に向けて要望する党部会=8月7日 国交省
地方の関係人口を創出・拡大し、魅力的な地域づくりにつなげるため、国土交通省は2025年度、都市と地方に複数の生活拠点を持つ「二地域居住」の普及に向けて活動する企業やNPO法人を支援する。住居や働く場の確保など、地方での受け入れ環境の整備を財政面で後押しする。25年度予算概算要求に関連経費を計上した。
二地域居住を促進する制度の創設を盛り込んだ改正広域的地域活性化基盤整備法が今年11月に施行される。市町村は、二地域居住を希望する人と地域を橋渡しするNPO法人や不動産会社などを「特定居住支援法人」として指定し、空き家や仕事の情報を提供できるようになる。
そこで国交省は25年度、二地域居住者の受け入れに向けた指定法人の活動を支援する。賃貸住宅の確保や活用可能な空き家の掘り起こし、就労・就農機会の創出を行う場合、補助金を支給することを検討。二地域居住に対する地域の理解を深めるイベントの実施なども支援の対象とする。
二地域居住を後押しする新たなサービスを提供する企業などを対象にしたモデル事業も実施する方針だ。地域間の交通費のサブスクリプション(定額制)導入や、空き家を改修した「お試し居住施設」の整備のほか、地方の居住先で子どもを学校や保育園に通わせられる仕組みの構築などを想定している。
二地域居住の促進を巡り公明党は、国交部会の25年度予算概算要求に向けた重点要望に明記。地方への人の流れを創出する観点から、二地域居住の先導的な事業への支援や、官民連携の強化を訴えていた。