痴漢撲滅、政府を挙げて
党提案を受け、初の網羅的な政策集
若い女性の悩みに寄り添い、これまで多くの政策を実現してきた公明党。今年3月には、公明党の提案を受けて政府が「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」をまとめた。同パッケージの概要を紹介するとともに、若い女性に関する公明党の実績を紹介する。
政策パッケージのポイント
若い女性に最も身近な性犯罪、性暴力である痴漢をなくすため、政府は3月30日、今後の施策をまとめた「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」を策定した。
内閣府の担当者によると、男女共同参画基本計画には、警察庁と国土交通省が担当する痴漢対策は盛り込まれていたものの、「内閣府と法務省、文部科学省も含めた5府省庁を横断する形で、痴漢に特化した対策を網羅的に取りまとめたのは今回が初めて」という。
パッケージでは、「痴漢を防ぐ」など五つの柱の下、具体的な施策を掲げた【図参照】。被害の実態把握や再犯の防止など、公明党の要望が大きく反映された。
それぞれの施策は、これまで各府省庁で行われてきたものも多いが、今回のパッケージ策定により、政府を挙げて痴漢撲滅に取り組む体制として、5府省庁による「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ実行連絡会議」の開催が明記された。
これまで女性専用車両の導入をはじめ、痴漢対策をリードしてきた公明党は、パッケージ策定を強力に進めてきた。
22年6月2日に竹谷とし子女性局長(参院議員)が参院内閣委員会と厚生労働委員会の連合審査会で、関係府省庁横断で痴漢対策を講じるよう主張。政府側から「22年度中に痴漢撲滅パッケージを策定し、政府を挙げて痴漢対策に取り組む」との答弁を引き出した。
策定に向けては、党女性委員会と青年委員会、ストーカー・DV・性暴力等対策推進プロジェクトチームが、日本若者協議会(室橋祐貴代表理事)のメンバーや関係府省庁と協議を重ね、今年3月17日に小倉将信・内閣府特命担当相(男女共同参画)に要望書を提出していた【写真】。
当事者の声反映、高く評価
日本若者協議会 室橋祐貴 代表理事
日本若者協議会 室橋祐貴 代表理事
今回、政府が対策パッケージをまとめたことを高く評価したい。痴漢は被害者が泣き寝入りすることが多く、実態が分かりにくい。
公明党は、女子高校生らも参加する私たち日本若者協議会を、関係府省庁の担当者が並ぶ党会合に招き、意見・要望を直接、訴える場を何度も作ってくれた。そのおかげで、政府側と対話ができ、意見がパッケージに反映された。非常に画期的で、とても感謝している。
東京都では、都議会公明党と連携して、都営地下鉄大江戸線への女性専用車両導入を実現できた。引き続き、公明党とも協力しながら、対策の強化を進めたい。
こんな実績も
〈生理用品の無償提供〉
経済的理由などで生理用品が購入できない「生理の貧困」。公明党は2021年3月にいち早く国会で取り上げ、政府に実態調査や生理用品の提供支援を提言。こうした国政の動きと連動し、各自治体でも生理用品の無償提供を推進した。
その結果、「生理の貧困」に関する取り組みを実施する自治体数は、22年7月時点で全体の約4割に広がっている。
〈女性デジタル人材育成〉
公明党は、コロナ禍が女性の就業に大きな影響を与えたことや、デジタル人材の需要が高まっている状況を踏まえ、「女性デジタル人材育成プラン」(2022年4月)の策定をリード。各自治体の取り組みに活用できる「地域女性活躍推進交付金」を確保した。
公明党の地方議員が同交付金を活用した取り組みを各議会で積極的に訴え、実現に導いている。
〈ストーカー被害防止〉
恋愛感情や、それが満たされなかった恨みから付きまといなどを繰り返すストーカー行為の防止へ、公明党は2000年の規制法制定と、その後の3度にわたる法改正を一貫して推進してきた。
当初は物理的接近のほか電話やファクスなどが規制対象だったがメールやSNSにも対象を拡大。21年の法改正ではGPS(全地球測位システム)の悪用を禁止した。