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活動の軌跡 Activity

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2023.01.17
公明ニュース

地域に飛び込み現場から政策実現

党女性委員会 2023年の活動方針

「地域に飛び込み、現場からの政策実現にまい進しよう!」―。公明党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)は昨年末、全国をオンラインで結んだ全国県女性局長会を開催し、2023年の活動方針を発表しました。この概要とともに、きめ細かな取り組みに向けた四つのプロジェクトチーム(PT)の目標などを紹介します。

主な政策

●コロナ対策の強化や就労支援
●少人数学級など最適な学びを
●環境に配慮した生活への転換加速
●マイナンバーの普及と利活用

日常活動

●対話拡大で地域に信頼構築
●SNSなどで発信力アップ

概要
実績づくりに全力
ウイメンズトーク活発に開催

公明党全国県女性局長会に出席した山口代表(手前から3人目)と古屋委員長(同4人目)ら=22年12月 党本部

コロナ禍や物価高騰などが、女性をはじめ社会的に弱い立場の人に深刻な影響をもたらしています。そこで、党女性委員会は23年の活動方針として、構造的かつ中長期的な課題の解決を第一の柱に掲げ、女性を中心に据えた取り組みを進めます。具体的には、▽妊娠期からの伴走型相談支援と経済支援の一体的実施▽困難や不安を抱える女性に寄り添う相談支援▽若い女性に対する官民連携での支援体制の強化▽リスキリング(学び直し)などの推進▽女性デジタル人材の育成▽ひとり親に対する職業訓練▽コロナの影響に対する実態把握▽「生理の公平」への支援拡充――などです。

また、「誰も置き去りにしない教育」なども方針の柱に掲げました。少人数学級やICT(情報通信技術)活用などによる最適な学びをさらに推進。性暴力から子どもたちを守る取り組みを強化します。

女性の視点からの脱炭素社会の実現も重要なテーマです。一人一人が環境に配慮した生活に取り組むメリットを身近で実感できるよう、環境配慮製品・サービスの選択や住居の断熱化、移動手段の見直しなど脱炭素型のライフスタイルへの転換を加速させます。

このほか、マイナンバーカードのさらなる普及とともに、引っ越し手続きのオンライン申請など、活用範囲の拡大に取り組みます。

こうした政策の実現に向け欠かせないのが、対話拡大と議員力アップです。多様な女性の声に耳を傾ける運動「ウイメンズトーク」を今年も継続的に開催し、オンラインも活用しながら、地域に根を張った活動を展開します。現場の声は、国会議員と地方議員のネットワークの力で課題解決のための政策に生かします。

政策力を磨くため、全国の女性議員が参加できるよう、オンライン勉強会を四半期に1回をめどに開催し、専門家などを講師に迎え、議会質問や実績づくりに活用します。さらに、女性議員が地域で「顔の見える議員」として積極的に街頭や駅頭でのあいさつを行うとともに、自身の活動や実績などをSNS(交流サイト)やブログなどに発信。シェアやリツイートなどの共有機能を駆使して、党の政策や実績などの拡散を行います。

4つのプロジェクトチームが多彩な目標を設定

教育・文化芸術

奨学金の拡充や返還支援など経済的負担の軽減、少人数学級の実現をはじめとした学びの充実へ環境整備を進めます。学校における感染症対策の充実とともに、給食室やトイレの改善などを含む老朽化対策、特別教室や体育館などへの空調設置を促進します。子どもたちのスポーツ・文化芸術の機会確保を継続できるよう、部活の地域連携・地域移行に取り組みます。

子ども・若者支援

子どもの貧困、児童虐待防止、障がい児や難病の子どもへの支援、AYA世代(思春期・若年成人世代)のがん患者の教育・就職などの問題といったテーマについて、視察や勉強会を行います。痴漢被害対策や性犯罪・性暴力被害の防止、ストーカー対策、子どもの送迎安全対策などに取り組みます。就職、結婚、妊娠・出産など若い女性がライフステージで直面する問題に関する声を聴く機会をつくり、政策に反映します。

平和・環境

平和問題について、核兵器禁止条約成立の経緯や内容、公明党の考え方を学ぶ勉強会を開催します。環境問題では、脱炭素社会の実現に向けた政策の勉強会などを行います。プラスチック循環に取り組む必要性への理解などを進め、プラスチックの使用削減や資源循環に取り組みます。リサイクルボックスの実態調査も行い、異物混入の解消に向けた取り組みを進めます。

健康・医療

孤立・孤独を防ぐため、相談体制の強化など女性の自殺防止に取り組みます。がん検診の受診率の向上をめざし、定期接種の機会を逃した「キャッチアップ接種」の対象者への周知などに力を入れます。不妊治療・不育症・グリーフケア(悲しみを癒やすケア)の支援を強化します。さらに、生涯にわたる女性の健康を支えるため、先進事例を探る視察や勉強会などを通じて実践に生かします。

女性活躍の先頭に
全国県局長会で山口代表

全国県女性局長会に出席した山口那津男代表は、政治分野の女性活躍について、「女性の声を政治に反映させるのが大きな目的であり、国会議員だけでなく、地方議員も含めた実数や割合が大事である」と強調。その上で、地方の女性議員の活躍の場が広がっており、党所属議員の約3割が女性である意義は大きいと訴え、各議員の奮闘に期待を寄せました。

また、今年の統一地方選には、各地で新人の女性予定候補が多く公認されていることに触れ、「必ず全員当選を勝ち取り、女性活躍の先頭に立って頑張っていただきたい」と呼び掛けました。

2023.01.04
公明ニュース

公明、各地で新春街頭演説 山口代表訴え

国際社会の安定めざす
子育て支援で地域活性化

新年の決意を訴える山口代表(中央)、高木陽介政務調査会長(右隣)ら=2日 東京・池袋駅東口

2023年が開幕した。公明党は元日から全国各地で新春街頭演説会を開き、山口那津男代表を先頭に、4月の統一地方選に挑む予定候補らが勢いよく出発した。山口代表は、国際社会に分断を生じさせたロシアのウクライナ侵略や、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮の暴挙などに触れ、「本年は新たに平和と安定をめざす結束した取り組みが重要となる」と力説。5月に行われる先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の議長国や国連安全保障理事会の非常任理事国として日本がリーダーシップを発揮して国際社会の針路を示すべきだと強調するとともに、公明党も与党の一員として対話による外交を進めていくと訴えた。

山口那津男代表は2日午前、池袋駅東口で街頭演説した。この中で厳しい安全保障環境への対応について、「日米同盟の持つ抑止力と対処力を強化することで強い安全保障の仕組みをつくり上げる」と強調。一方で「憲法に基づく専守防衛や、日米同盟の基本的な役割分担は変わらない。日本が軍事大国になって周辺の国々を脅かす存在にはならない」と訴えた。

また、日本が直面する課題として少子化を挙げ、「地域社会で次の時代を担う人が育ち、さまざまな地域の役割を担っていける時代をつくっていかなくてはならない」と指摘。その上で、公明党が昨年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」の実現に全力で取り組む考えを示した。

日本経済の再生に向けては、デジタル化を促すDX(デジタルトランスフォーメーション)と脱炭素社会に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)、スタートアップ(新興企業)支援などを通して「日本の活力を引き出し、地方にその流れを導いていく」と強調した。

4月の統一地方選については「公明党の基盤は地方議員だ。ネットワークを生かして小さな声を受け止め、政策として実現できるのは、地方議員の厚みがあるからだ」と力説した上で「その基盤を固め直すのが統一地方選だ。全員当選をめざす」と訴えた。

一方、高木陽介政務調査会長(党東京都本部代表)は「統一地方選を勝ち抜き、子育てを応援して日本を支えていく流れをしっかり築く」と強調した。

2023.01.01
公明ニュース

誰もが輝く未来めざして

公明、全世代型社会保障へ総力

少子化が加速し、高齢者人口がピークを迎える「2040年問題」をどう乗り越えるか。公明党は、諸課題の解決に向けた新たな構想「安心と希望の『絆社会』 2040ビジョン」(仮称)の23年度中の策定へ、昨年12月に「ビジョン検討委員会」(委員長=石井啓一幹事長)を立ち上げた。先行して発表した「子育て応援トータルプラン」も含め、誰もが輝く未来をめざし、将来にわたって持続可能な全世代型社会保障の構築に総力を挙げていく。

直面する2040年問題
高齢者人口ピーク迎え、現役世代の負担は増大

65歳以上の高齢者人口の推移

2040年は、1971年から74年生まれの団塊ジュニア世代が65歳以上となり、高齢者人口がピークを迎える年である。

総務省が「敬老の日」前日の昨年9月18日に発表した統計では、2040年に、65歳以上の高齢者人口が3921万人に達するという見通しが示されている。昨年の65歳以上の高齢者人口の推計値である3627万人から、40年には、さらに300万人近く増えることになる。

総人口の推移

一方、少子化の影響で、総人口は減少の一途をたどっている。内閣府がまとめた22年版高齢社会白書によると、40年の総人口は、1億1092万人に落ち込むという。このため、65歳以上の高齢者人口が占める割合は35.3%に上る。

ただ、同白書の推計値よりも総人口が減少し、少子高齢化に一層の拍車が掛かる可能性もある。厚生労働省によると、昨年の子どもの出生数が、明治時代に統計を取り始めて以来、初めて80万人を割り込む見込みであり、今後も子どもの出生数が減っていくのではないかと懸念されているためだ。

当然、働き手とされる15歳から64歳までの「現役世代」(生産年齢人口)も減少する。22年版高齢社会白書によると、21年の時点で現役世代人口は7450万人だが、40年になると5978万人に減ると推計されており、1人の高齢者を約1.5人の現役世代で支える時代が到来する。年金や医療、介護などにかかった昨年度の社会保障給付費は約131兆円だが、厚労省によると、40年には190兆円に増える見通しだという。

こうした中、どうすれば安心の社会保障制度を維持できるのか。解決すべき課題は多い。

"絆ビジョン"23年度中に策定へ
先行き不安解消し安心と希望を

2022年12月22日に開かれた党ビジョン検討委の初会合

2040年問題の克服に向けて公明党は、昨年9月の党全国大会で、「安心と希望の『絆社会』 2040ビジョン」(仮称)を23年度中をめどに策定すると発表した。

「絆社会」とは、皆が互いの個性を尊重し合い、支え合うことで人々の結び付きを強める社会のことだ。

その構築により、性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず、誰もが、それぞれの能力や特性に応じて力を発揮し働ける「包摂的な社会」をめざす。これにより、結果的に国の持続的な成長が担保される。

この点については、14年の主要20カ国・地域(G20)の労働雇用大臣会合の席上、リーマン・ショック後に経済を再建できた国の成功要因として指摘された。

また、国連のSDGs(持続可能な開発目標)にも「包摂的かつ持続的な経済成長」がうたわれている。「包摂」は、少子高齢化と人口減少が進む日本の未来を考える上での重要な視点である。

「給付」「負担」とも改革の方向性示す

ビジョン策定に当たっては、教育や医療、介護などの望ましい給付のあり方、各分野の効率化や改革の優先順位などについて検討する。その上で、財源や負担のあり方に関して議論し、40年までの改革の流れを示す包括的なビジョンとして仕上げる方針だ。

これまでも公明党は、社会保障の将来像を示す構想として「福祉社会トータルプラン」(1976年)、「21世紀トータルプラン」(89年)、「少子社会トータルプラン」(2006年)を発表してきた。

子どもからお年寄りまで必要な支援が行き渡る全世代型社会保障の構築に向けた取り組みである。

さらに公明党は、国民の先行き不安を解消し、安心と希望をもたらすため、確かな将来ビジョンの策定をめざす。

「包摂」の視点で社会を転換
保障すべき"絆"の説明が重要
宮本太郎・中央大学教授

宮本太郎・中央大学教授

2040年問題が議論されるようになって久しい。しかし、対応が進まぬまま高齢化がピークに達するこの年に近づいているのが現状ではないか。

人口減少や孤独・孤立化、多死社会の到来など問題は山積している。この100年間の日本の総括とも言うべき2040年を乗り越えていくためのビジョンが早急に求められている。そのようなビジョンのカギになるのが、「包摂」の視点だろう。

包摂とは、年齢、性別、障がいの有無などを問わず、皆がつながりを持ち、それぞれの力を発揮しながら活動的な人生を送ることができる条件を提供することだ。誰も排除されず絆が保障される社会といってもよい。

そのためにも、職場であれ地域の居場所であれ、社会そのものが誰にも開かれた、より包摂的な社会へと転換していくことが大事だ。

公明党は2040年に向けたビジョンの策定に際して「絆社会」の構築を掲げたが、こうした観点から期待している。提起に当たっては「絆社会」とはどういう絆を保障する社会かを説明していくことが重要だと思う。

一つは「さまざまな場所で結ばれる絆」だ。就労のつながりは大切だが、人々をつなげる絆は働く場だけではない。多様な家族のかたちや「第三の場」となる地域コミュニティーも大切だ。また貧困は絆を失うきっかけとなるため、対策が不可欠だ。

二番目は「お互い様の絆」だ。特定の人が一方的に世話や保護を受ける発想ではなく、互いの絆の中で誰もが自分自身の役割が持てて、自己肯定感が高められる関係を構築したい。

三番目は「選択可能な絆」だ。絆は幸福の源だが、つながり方の歪みは人を傷つけることもある。多元的なつながりの中で絆を選べることが求められる。

こうした絆づくりに向けて「地域共生社会」の取り組みも進行中だ。絆づくりと支え合いの支援で老若男女を問わず「元気人口」を増やす取り組みで、「絆社会」への出発点だ。

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