原油高 生活守る対策早く
対ロ制裁で首相「最大のコスト課す」
参院予算委で竹谷、熊野氏
参院予算委員会は2日、岸田文雄首相らが出席し、ウクライナ情勢などを巡って集中審議を行い、公明党から竹谷とし子、熊野せいし両氏が質問に立ち、国民生活への影響が及ばないよう対策の早期実施などを訴えた。
質問する竹谷氏=2日 参院予算委
竹谷氏は、ロシアへの制裁措置により日本国内のエネルギー価格高騰が予想されると述べ、「国民の暮らしと仕事を守るための対策について、今から検討していく必要がある」と強調した。岸田首相は「(価格高騰の)激変緩和措置を大幅に強化していくとともに、業界業種ごとの支援、自治体に対する支援を重層的に講じたい」と述べた。
質問する熊野氏=2日 参院予算委
一方、熊野氏は、世界の銀行決済取引網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からロシアの一部銀行を排除する制裁措置に関し、政府の見解をただした。岸田首相は「ロシアに最大のコストを課す観点から、先進7カ国(G7)をはじめ国際社会と緊密に連携しつつ対応する」と強調した。
予算委ではこのほか、竹谷氏はデジタル人材育成について、職業訓練を受けたものの、すぐには就労に結び付かないケースがあることから、OJT(実務を通じた訓練)で経験を積めるなどの環境整備を求めた。佐藤英道厚生労働副大臣(公明党)は「実践的な経験を積む機会充実の方策を検討する」と答えた。
熊野氏は環境に配慮した持続可能な農林水産業をめざして政府が策定した「みどりの食料システム戦略」のさらなる推進を訴えた。
「政府で議論する考えない」核共有で首相
岸田文雄首相は2日の参院予算委員会で、米国の核兵器を自国内に配備して共同運用する「ニュークリア・シェアリング(核兵器の共有)」の議論を求める声が出ていることに対し、非核三原則などに触れ、「政府として認めることは難しい。議論することは考えていない」と明言した。