生きる道を選べるように 自殺対策テーマにフォーラム
公明新聞:2018年4月27日(金)付
支援機関 連動が重要
竹谷さんら出席 窓口ワンストップ化を
党東京・世田谷総支部
公明党東京都本部世田谷総支部(総支部長=栗林のり子都議)はこのほど、自殺対策に取り組むNPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」の清水康之代表を講師に「ツーウェイ・フォーラム」を世田谷区内で開いた。「誰一人置き去りにしない社会づくりへ」をテーマに、講演やパネルディスカッションが行われ、公明党の竹谷とし子参院議員、栗林総支部長らがパネリストとして参加した。
日本の自殺者数は1998年以降、14年連続で年間3万人を上回って推移。2010年から減少傾向に転じたものの、昨年は2万1321人(警察庁発表)に上り、1日当たり60人近くが自殺で亡くなっている。
失業、生活苦、過労、家族の不和......。講演で清水代表は、日常にあふれる問題をきっかけとし、別の問題が連鎖して自殺に至っている実例を紹介。「『もう生きられない』『死ぬしかない』という状況に追い込まれた人が、生きる道を選べるようにしなくてはならない」と語った。
その上で、自殺した人が平均四つの要因を抱えて命を絶っている問題に触れ、支援機関が連動して対応に当たる重要性を強調。「地域のどこか(の支援機関)にたどり着けば、生きる選択肢が選べる、さまざまな支援が受けられるといったセーフティーネットを築くことが大切」と訴えた。
パネルディスカッションでは、党総支部青年部長の村岡正敏さんも交え、若者の自殺を防ぐ取り組みについて意見を交わした。
村岡さんは、学生時代に友人を自殺で亡くした経験を通し、周囲に打ち明けにくい状況でもSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの手段で「SOSを発信できる仕組みが広がれば」と話した。
竹谷さんは、職場のパワーハラスメントや産後うつなどの相談体制の必要性を挙げ、一つの窓口で心のケアや法的支援など全般的なサポートが受けられるよう「ワンストップ化を推進する」と語った。
専門家「公明党は熱心」と評価
また、清水代表は、自殺対策について「公明党が熱心に取り組んでいる」と述べ、国と地方での支援強化への働きに期待を寄せた。栗林総支部長は「社会の片隅にサーチライトを照らし、一人一人の声を政治に反映させていくのが公明党。今後も命を守る政策実現に懸命に取り組んでいく」と締めくくった。
終了後、参加者からは「自殺の実情を知って衝撃を受けた。悩んでいる人に思いやりを持ちたい」「助けを求める大切さを改めて知った」などの感想が寄せられた。