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2022.01.18
公明ニュース

デジタル分野の女性の就労促進へ

求職者支援制度など活用を 
竹谷女性局長に聞く

公明党は、女性がデジタル分野で就労しやすい環境づくりに力を入れています。その取り組みについて、党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)で女性局長を務める竹谷とし子参院議員(参院選予定候補=東京選挙区)に聞きました。

竹谷女性局長

――なぜ、女性のデジタル人材の育成が必要なのですか。

竹谷とし子女性局長 コロナの影響で、非正規などで働く女性を中心に、減収や失業などで困窮する人が増えています。

一方、デジタル分野の仕事は感染症の影響を受けにくく、今後、社会のデジタル化で、その分野の人手不足が続き、労働力を求めるニーズが高まるといわれています。経済産業省の委託調査で、2030年に情報システム部門などで働く「IT人材」が、最大で約79万人不足すると試算されています。また、育児や介護をしながらテレワークで取り組めるようにする企業も出てきています。この機会を生かし、希望する女性がデジタルのスキルを習得し、仕事ができるよう政策として後押しすべきだと考えます。

――どういった国の支援がありますか。

竹谷 国の制度の枠組みは基本的に性別を問いませんが、一つは、ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)です。

失業手当などの雇用保険を受給できなかったり、受給を完了したりした求職者を対象にする「求職者支援制度」では、職業訓練受講給付金(月10万円)を受給しながら無料で職業訓練が受けられます。まだ数は限られますが、デジタル分野の訓練コースがあります。

詳しくは、厚生労働省のホームページで確認できます。職業訓練検索のサイトでIT分野を選択すると、デジタルの訓練が表示されます【職業訓練検索のサイト(「想定する分野」の「条件を追加」から選択をタップしIT分野を選択)】

もう一つは、文部科学省の委託によるポータルサイト「マナパス」から、就職・転職につながる大学のプログラムを検索できます【マナパスのサイト】。受講料が無料であったり、求職者支援制度と連携して、給付金を受給しながら学習することが可能な講座もあります。

例えば、青山学院大学が実施した「女性のためのITリカレント教育プログラム」では、定員を大きく上回る申し込みがあり、好評でした。

――ほかには。

竹谷 経産省は、特設サイト「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」を開設し、誰でも無料でデジタルスキルを学ぶことのできるオンライン講座を紹介しています【巣ごもりDXステップ講座情報ナビのサイト】

公明、政府の取り組みリード
地方自治体での推進さらに

――公明党は昨年、衆院選の政策に「女性デジタル人材育成10万人プラン」(仮称)を掲げました。

竹谷 党女性委員会はこれまで、デジタル社会推進本部(本部長=大口善徳衆院議員)と合同で勉強会を開催し、デジタル人材育成について、ひとり親や未経験者を対象にした研修、就労支援など全国の先駆的な取り組みを調査してきました。そこから、適切な支援策があれば女性がもっと活躍できることが分かってきました。そこでまずは、女性のデジタル人材を10万人育成するという目標を立て、それを実現するための政策を練り上げていこうと考えました。

昨年末、閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に、公明党の強い主張により「女性デジタル人材育成の推進」という項目が新たに追加されました。また、今国会で審議中の22年度予算案には、21年度予算に続き、女性のデジタルスキル向上や就労の支援に地方自治体が活用できる「地域女性活躍推進交付金」が計上されています。

――地方議員が自らの地域で推進する際、どのように取り組めばよいですか。

竹谷 議会質問などで「政府として、女性デジタル人材育成を推進する方針を決定しています。国の地域女性活躍推進交付金を活用して、わが街でも取り組むべきです」と訴えていただくのが一例です。具体的には、初歩的な技能を学べる講座の開催などを提案してみてはどうでしょうか。

――先進事例を教えてください。

竹谷 公明党の推進により、兵庫県宝塚市では今月から、地域女性活躍推進交付金を活用し、コロナ禍で困難を抱える女性への支援の一環としてパソコン講座を実施しています。市がNPO法人に業務を委託。この講座では初級編から仕事に役立つ実践編までのスキルを習得でき、好評を博しています。交付金を活用して、こうした取り組みを実施している自治体は少ないので、各自治体で推進する上で参考になるのではないかと思います。

――就労を希望する女性を支援する今後の取り組みについて決意を。

竹谷 女性がより良い条件で働くことができるように、デジタルスキル習得と就労支援策を総合的なパッケージとして策定し、実行するよう政府に求め、全力で後押ししていきます。

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