第5次男女共同参画基本計画
男性の"産休"取得促進
女性が希望を持って生きられる社会へ
緊急避妊薬 処方箋なしの利用を検討
公明の主張大きく反映
政府が昨年末、決定した2021年度から5年間の第5次男女共同参画基本計画には、公明党の主張が多く反映されました。基本計画のポイントについて、古屋範子・党女性委員長(副代表)に聞きました。
女性委員長 古屋範子 副代表に聞く
基本方針の策定に向け、菅首相(中央左)に提言を申し入れる古屋委員長(左隣)ら=20年10月9日 首相官邸
――基本計画が策定されました。
古屋 男女共同参画基本計画は、1999年に施行された男女共同参画基本法に基づき、2000年に策定されて以降、5年ごとに見直されます。今年度は、その基本計画の策定期に当たります。
党女性委員会は昨年、オンラインも活用しながら、各地でウイメンズトークを約200回開催。さまざまな分野の方から声を聴き、それを基に10月には菅義偉首相に政策提言「真の男女共同参画社会の実現へ」を申し入れました。今回の基本計画には、その公明党の主張が大きく反映されています。
――特筆すべき項目は。
古屋 一つは、男性の産休(配偶者が出産直前直後にある男性の休業)の取得促進です。基本計画には「夫婦での子育てを促進するため、出産直後の休業の取得を促進する新たな枠組みを導入する」と明記されました。さらに、本人や配偶者の妊娠・出産を申し出た労働者に対する休業制度の周知や研修・相談窓口の設置といった職場環境の整備について、事業主に義務付けることなどを検討し、今回の通常国会に必要な法案を提出する方針が示されました。
また、予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性が、薬剤師との対面で服用することなどを条件に、処方箋なしに緊急避妊薬を適切に利用できるよう、薬の安全性を確保しつつ、当事者の目線に加え、幅広く健康支援の視野に立って検討することが盛り込まれました。
――ほかには。
古屋 性犯罪・性暴力被害者を支援するため、ワンストップ支援センターの24時間365日の対応化、昨年10月にスタートした性犯罪や性暴力被害者のための全国共通短縮ダイヤル「#8891」の周知や通話料無料化、二次被害防止の観点からメディアなどを通じた的確な情報発信を求めました。
さらに、▽不妊治療・不育治療の支援充実▽セクシャルハラスメント防止へ実態把握や相談体制の整備▽コロナ禍を踏まえ、女性の減収、失業、ひとり親家庭の貧困、DV(配偶者などからの暴力)などの対策▽男女共同参画の視点からの防災の推進――などが反映されました。
――選択的夫婦別姓の導入については。
古屋 今回の基本計画では、「夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進める」と記されました。
実際に、最高裁判所は昨年12月、事実婚の夫婦3組が別姓の婚姻届の受理を自治体側に求めた家事審判を大法廷で審理すると決めました。司法の場で判断が出てから動き出すのでは遅いと思うので、政府の議論がスムーズに進むよう、公明党として引き続き、働き掛けていきます。
――政策実現に向けた決意を。
古屋 今後は、この基本計画に基づいて関連する予算の審議が行われ、各自治体では条例や各種計
画の策定作業などが進みますが、公明党のネットワークの力を生かし、取り組んでいく決意です。
そして、全ての女性が安心して希望を持って生きることができる社会をめざし、議員が一丸となって、政策実現にまい進してまいります。