「脱炭素」へ議論加速
技術革新・開発を促進
ライフスタイルの転換も
党推進本部が初会合
2050年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス排出量の実質ゼロへの取り組みを加速させるため、公明党地球温暖化対策推進本部(本部長=石井啓一幹事長)は26日、衆院第2議員会館で初会合を開き、脱炭素社会の構築に向け、議論を開始した。
2050年までの温室効果ガス排出量「実質ゼロ」に向けて初会合を開いた党推進本部=26日 衆院第2議員会館
冒頭、石井本部長は、菅義偉首相が今国会の所信表明演説で50年までに排出量「実質ゼロ」を掲げたことに言及し、今年の通常国会の本会議代表質問で、公明党の山口那津男代表、斉藤鉄夫副代表(当時、幹事長)が訴えてきたものだと強調。「菅首相が公明党の提言を受け入れて決断したことをわれわれは高く評価している。党としても全面的に支えていくため、推進本部を立ち上げた」と述べた。
また、石井本部長は、CO2排出量と吸収量を等しくする「カーボンニュートラル」の実現に向け、「革新的な技術の開発が不可避だ。また、国民のライフスタイルにも関わってくる。非常に幅広い取り組みが必要だ」と力説。今後、産業界や有識者、先進的に取り組む自治体と精力的に議論を重ね、運動論の展開も含め、具体化に向けた活動を進めていく方針を示した。
会合では、政府側から排出削減に向けた現状の取り組みを聴取。環境省は、温室効果ガスの国内排出量の約6割は住宅や移動などライフスタイルに起因すると報告。その上で、ライフスタイルの転換や新たな地域のあり方を創造する観点から、脱炭素の需要を創出していく取り組みを紹介した。
公明党側は、産業界の取り組みを支援するため、長期的な基金を創設して推進していくべきだと主張。また、土壌への炭素貯留を通じて温暖化対策を実施する自治体を紹介し、普及啓発を求めた。