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2019.05.31
公明ニュース

学校・地域の塀を安全に

昨年6月の大阪府北部地震では小学校のブロック塀が倒壊し、女子児童が下敷きになる痛ましい事故が発生した。以来、全国で危険なブロック塀の撤去や改修が進む一方、代替策として木塀や生け垣などを普及させる動きが広がっている。自治体や地域の取り組みを追った。

国産材の木塀を推進
区市町村向けに全額補助
東京都

東京都は、危険なブロック塀対策の一環で、国産木材を使った木塀の普及に取り組んでいる。都有施設でブロック塀から木塀への転換を進めているほか、民間の木塀新設に補助制度を設けている区市町村に対し、1メートル当たり14万6000円を上限に費用を全額補助(同2万4000円までは区市町村が定める補助額の4分の1を補助)している。

木塀はブロック塀に比べて軽く、万一倒壊した場合でも大きな事故につながりにくい。経年劣化はするが、薬剤による防腐処理で耐久性を向上させることが可能。加えて、景観に優れるなどの利点がある。さらに国内にある人工林の約半数が樹齢50年を超え、伐採時期を迎えていることから、森林資源の活用策としても期待されている。

都は大阪府北部地震をきっかけにブロック塀などの緊急点検を実施。その結果、634の学校施設と766の都有施設で安全基準に適合していない塀の存在が明らかになった。

これを踏まえ、小池百合子都知事は、昨年7月の定例会見で危険なブロック塀の代わりとなる木塀を提唱。全国知事会でも連携を呼び掛け、同11月、国産木材の活用を推進する知事会のプロジェクトチームとして国に支援を要請した。

都は木塀の設置を後押しするため、同12月に冒頭の補助制度を開始。今年3月には、標準的な仕様をまとめたガイドラインを公表した。現在、一部の都立高校と都有施設に、多摩産材を含む国産木材を使った木塀を試行設置する計画も進めている。このうち都立高校については、プールサイドの目隠しとして6月までに設置される予定。木塀の利点や設置費用、耐久性などを検証する。

生け垣でまちづくり
憲章制定し住民意識高める
東京・国分寺市 高木町自治会

約1200世帯の閑静な住宅街が広がる東京都国分寺市高木町。同町の自治会は「安全で美しい塀づくり」をまちづくりの中心に据え、30年以上にわたり危険性の高いブロック塀を生け垣に造り替える取り組みを続けている。

1978年の宮城県沖地震でブロック塀が倒壊した事故を教訓とし、86年に独自の「へいづくり憲章」を制定。「緑豊かな町を生け垣で守りましょう」「お隣と会話のできるへいにしましょう」「歩行者の安全を考えたへいにしましょう」など、まちづくりの理念を分かりやすい言葉でまとめた。また、モデルとなる生け垣を町内に設置するなど、まちづくりに対する住民の意識を高めてきた。

国分寺市も89年、ブロック塀撤去と生け垣造成を併せて実施する際の費用の補助制度を創設し、同自治会の取り組みを後押し。2013年にはブロック塀撤去と生け垣造成をそれぞれ単独実施でも補助を受けられるよう制度を改正した。さらに大阪府北部地震後の昨年10月には、補助対象となるブロック塀と生け垣の長さの上限を双方とも20メートルから無制限にするなど、大幅に拡充している。

高木町でブロック塀の改修が進む状況を視察する公明党女性委員会のメンバーら=2月 東京・国分寺市

国は、19年度予算などで危険なブロック塀の撤去や改修、耐震診断に必要な費用を自治体に助成している。公明党は、ブロック塀の安全対策を強力に推進。昨年10月の参院代表質問で山口那津男代表が「通学路や緊急避難道路などのブロック堀対策の検討を急ぐべき」と訴えるなど、政府に早急な対応を求めてきた。

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