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2019.05.22
公明ニュース

【主張】食品ロス削減 コンビニの取り組み追い風に

まだ食べられる食品が捨てられてしまう「食品ロス」の削減へ、追い風となることを期待したい。

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンが、消費期限の近い食品を実質的に値引き販売する方針を発表した。購入者に数%分のポイントを付与して還元するというもので、全国約2万店で今秋にも実施する予定だ。ローソンも同様の還元策を実験的に導入し、全国展開も検討するという。

期限切れが近い食品は売れにくく、期限が切れると廃棄処分される。値引きによって売れ残りを抑えることができれば、食品ロスの削減につなげられる。

コンビニ各社はこれまで、高収益を支えてきた定価販売という商習慣の見直しに慎重だっただけに、今回の決定は大きな方針転換だ。値引き販売はスーパーなどで先行しているが、利用者が多いコンビニが取り組む影響は大きい。

公明党は食品ロス削減策として、賞味期限や消費期限が近い食品にポイントを付与して消費行動の変化を促すよう国会質疑で提案してきた。各社の取り組みを歓迎したい。

見直すべき商習慣はまだある。例えば、食品の製造日から賞味期限までの3分の1を過ぎると納品できなくなる「3分の1ルール」だ。政府は既に、製造・卸売・小売業による協議を促しており、納品期限の緩和が進みつつある。取り組みが遅れている地方の小売店などにどう広げていくか検討を急いでほしい。

食品ロスの削減には、小売業に比べ食品廃棄量が多い飲食店など外食産業の取り組みも欠かせない。この点、宴会の最初の30分と最後の10分は料理を食べることに専念する「30.10運動」を呼び掛けたり、食べ残しを持ち帰るための容器を飲食店側が用意するといった動きが広がりつつある。こうした努力の積み重ねも大切だ。

事業者側の取り組み強化に加え、消費者の意識改革が何より重要であることは言うまでもない。公明党が与野党の合意形成をリードしてきた食品ロス削減推進法案が今国会で審議されている。同法案の柱は、食品ロス削減を国民運動にすることだ。早期の成立を望みたい。

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