食品ロス削減へ
政府が数値目標を決定
00年度比で30年度までに半減
家庭からの発生45%
横浜市と同市社会福祉協議会、コンビニが連携し、食料品などを生活困窮世帯などに提供する活動を視察する党食品ロス削減推進PTのメンバーら=6月28日 横浜市
まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」について、政府はこのほど、家庭分の削減目標を設定しました。食品ロス削減に関する公明党の取り組みについて、党員の公恵さんと明子さんが友人の友美さんに語っています。
友美 政府が食品ロスの目標を決めたと聞いたけれど。
公恵 そうです。政府は6月19日、「第4次循環型社会形成推進基本計画」を閣議決定しました。その中に、家庭から出る食品ロスの量を2030年度までに、00年度と比べて半減させる数値目標が盛り込まれています。
友美 具体的にはどれぐらいの量になるの?
明子 00年度の家庭の食品ロスは433万トンだったため、目標は216万トン程度になるわ。
友美 最近の食品ロスの量はどれぐらいなの?
公恵 15年度では、家庭の食品ロスは289万トンでした。30年度までに、これを25%減らすことになります。
友美 どうして目標を決めたのかしら?
明子 国連が15年に採択した「持続可能な開発目標」(SDGs)には、「30年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させる」ことが掲げられており、国の目標はこれを踏まえたものよ。
友美 家庭以外からも食品ロスは出ているのよね?
公恵 小売店や飲食店など事業所からは357万トンで、家庭と合わせると646万トン(いずれも15年度)。1日1人当たりに換算すると約139グラムで、茶わん約1杯分のご飯の量を捨てていることになります。
友美 多いわね。もったいないわ。
明子 食品ロスというと飲食店の食べ残しや小売店の売れ残りなど、事業所から多く出ているイメージがあるけれど、実際は646万トン中の289万トン、約45%が家庭からなのよ。
公恵 京都市の試算によると、4人家族の1世帯から発生する食品ロスを金額に換算すると、年間約6万円にもなるそうです。そして、そのごみを処理するために約5000円の費用がかかっています。
友美 もったいないだけでなく、とても不経済なのね。
明子 安いからといって買いすぎるのは良くないわ。また、賞味期限は「おいしく食べられる期限」。1日でも過ぎたら捨てるのではなく、五感を使って食べられるか判断していくことが大切よ。
公明、法案まとめ成立めざす
友美 公明党はどんな取り組みをしてきたの?
公恵 公明党は15年12月に食品ロス削減推進プロジェクトチーム(PT、座長=竹谷とし子参院議員)を設置。関係団体からの聞き取りや調査活動を続けてきました。
明子 PTは16年5月、食品ロス削減目標や基本計画の策定、推進本部の設置、未利用食品を生活困窮世帯や福祉施設に提供する「フードバンク」の推進などを求める提言を政府に行ったわ。
友美 しっかり取り組んでいるのね。
明子 また、公明党は、食品ロス削減推進法案(議員立法)を取りまとめ、早期成立をめざしています。
友美 どんな内容?
公恵 自治体や事業者、消費者が一体となり、削減を推進します。具体的には、関係大臣や有識者で構成する「食品ロス削減推進会議」を内閣府に設置し、基本方針を策定。これを基に都道府県と市町村が削減推進計画を定め、対策を実施します。
明子 消費者や事業者に対しては、食品ロス削減に向けた理解や関心を深める教育に加え、知識の普及・啓発に取り組むわ。他に、10月を「食品ロス削減月間」に設定。フードバンクの支援なども盛り込まれているわ。
友美 早く実現してもらいたいわ。
公恵 地方議員も各議会で食品ロスの問題を取り上げ、フードバンクの支援や30.10運動(会食の開始30分、終了前の10分間、自席で食事を楽しむ)の普及などが進んでいます。
友美 あらゆる立場の人が力を合わせ、食品ロスをなくしていきたいわね。