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2019.01.08
公明ニュース

地区防災計画を推進 党女性委の勉強会から

住民が自発的に策定 
地域社会の「共助」を強化

地区防災計画について研さんした党女性委の勉強会=2018年12月17日 衆院第1議員会館

公明党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)はこのほど、防災対策の強化に向け、地区防災計画の策定について勉強会を開きました。その模様について、党員の公恵さんと明子さんが友人の友美さんに語っています。

友美 新年早々に大きな地震があったわね。

公恵 1月3日、熊本県和水町で震度6弱を観測する地震がありました。これを受けて公明議員は4日、被災現場を視察し、町長と懇談しました。

友美 災害への備えを進めないといけないわね。

公恵 党女性委は2011年に女性防災会議(議長=山本かなえ参院議員、参院選予定候補=比例区)を設立。自治体の防災会議への女性委員登用など、さまざまな取り組みを進めてきました。地域の対策を、より強力に進めるため、党女性委は昨年12月17日に勉強会を開き、地区防災計画の策定について加藤孝明・東京大学准教授の講演を聞きました。

友美 地区防災計画って何?

明子 私たちが住む地域で災害が起こったときにどうするか、それに備えて何を準備するのかなどについて、住民が自発的に立てる防災計画のことよ。14年に制度が創設されたわ。

公恵 従来は、国の「防災基本計画」と、それを基に自治体が立てる「地域防災計画」などがありました。しかし、東日本大震災では行政機能がまひする事態も起こり、住民による自助や、地域コミュニティーなどによる共助が避難行動や避難所の運営において重要な役割を果たしました。地区防災計画は、地域の防災力を高める役割があります。

友美 地区防災計画を立てる主体は誰になるの?

明子 計画を立てる単位には制限がないの。町会や自治会、マンション管理組合のほか、企業やNPO法人、商店街、学校、医療・福祉施設なども主体となることができるわ。

考えるプロセス重要

友美 計画を作る上でのポイントは?

公恵 党女性委の勉強会で加藤准教授は、「防災だけではなく、まちづくりの中でも防災もしっかりと考えていくことが重要だ」と強調しました。また、「計画を作るプロセスが非常に重要」とした上で、地域コミュニティーが主体的に課題解決に取り組める組織になることが必要だと訴えました。

明子 一つの自治体の中でも、地域によって海岸沿いだったり、山が近いなど、いろいろと条件が違うわ。それぞれの地域が答えを出していくことが大切ね。

友美 災害対策では、自助、共助、公助という言葉を聞くわね。

公恵 自分で自身や家族を守るのが「自助」、地域での助け合いが「共助」、行政の取り組みが「公助」に当たります。加藤准教授は「地区防災計画は共助を膨らませることが目的」と述べ、防災だけにとどまらない「総合性」、自発的に取り組む「内発性」、自律的に発展する「自律発展性」を地域に浸透させるとうまくいくと指摘しました。

友美 立ち上がった活動を継続させるのは、大変そうに思うけど。

明子 加藤准教授は、町内会など一つの組織だけでなく、PTAや地域のスポーツチームなど複数の組織を緩やかに連携させると持続性が生まれやすいと語っているわ。

公恵 計画策定の主体となる組織は、災害でどのようなリスクがあるかを把握します。その上で、地域コミュニティーができること(共助)、行政にしかできないこと(公助)を両者が正しく認識した上で、建設的な議論が行われることが望ましい形です。

友美 例えば、町内会で意識が高い人が少ない場合はどうしたらいいのかしら。

明子 加藤准教授は、コミュニティーの中で「キーパーソンズ」と呼ばれる意識の高い人たちを養成するために、「例えば、被害の想定を認識してもらう方法がある」と言及。東京都葛飾区や神奈川県茅ケ崎市で活用された防災アプリ「天サイ!まなぶくん」を紹介したわ。同アプリでは、地域内で浸水が起きたときのイメージなどを表示することができるの。

友美 ITを活用する方法もあるのね。町内会の集まりで防災の話をしてみようかしら。

公恵 私たちが地域のリスクを正しく認識して、より良い防災計画を作っていけるといいですね。

伝言ダイヤルの使い方 

体験利用で家族訓練をしてみよう 危機管理アドバイザー 国崎信江

大きな災害が起こると、家族や友達を心配して、一度にたくさんの人が電話をかけるので、つながりにくくなります。家族と離れていて安否が分からない、そんな時のためにNTTの「災害用伝言ダイヤル(171)」の無料サービスを覚えておきましょう。被災して電話がつながりにくくなったら一般加入電話、公衆電話、携帯電話から171をダイヤルします。後は音声ガイダンスの案内の通りに操作するだけです。

ただし、メッセージの登録は1件当たり30秒。つながってから何を話そうと考えていたら重要な用件を言えぬまま録音が終わってしまいます。1電話番号当たり20件しか録音できないので、事前に家族で何を伝えるかを決めておきましょう。わが家では自分の状態と居場所、用件、今後の予定、そしてここがポイントですが、必ず次に連絡(録音)する時間を伝えることを決めています。

災害用伝言ダイヤルは毎月1日と15日のほか、防災とボランティア週間(1月15?21日)などに体験利用することができます。お勧めの訓練として、朝に自宅で子どもが171で伝言を録音。父は仕事場で、母は外出先から携帯でメッセージを再生し、子どもへの返事の伝言を録音する。子どもは公衆電話から親の伝言を聞くという家族訓練はいかがでしょう。子どもには公衆電話の使い方や設置場所を確認してもらう良い機会にもなるはずです。

公衆電話は災害時の優先電話ですが、携帯電話の普及とともに設置数も減り、使用方法を知らない子どもたちが増えています。お金を入れる前にダイヤルして反応がなく、壊れていると勘違いする。ダイヤルした後に通話ボタンや通話終了のボタンを探す。そんなわが子を見て、家族の知識や経験値について知ることができる機会は大切だと身をもって感じています。

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