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2018.11.28
公明ニュース

江戸城外濠 水質浄化めざす

玉川上水の清流 生かし 
党都本部プロジェクトチームが視察

地下水路化されずに残された下流部の玉川上水を視察する竹谷座長ら(向こう側前列中央)

玉川上水の経路

江戸時代に造られた「玉川上水」(経路は【図】参照)の価値を再認識し、旧・江戸城外濠などの水質改善をめざす公明党東京都本部の「水と緑の回廊・国際都市東京の実現プロジェクトチーム」(PT、座長=竹谷とし子参院議員)はこのほど、玉川上水の上流部から下流部にかけて現地視察し、水と緑の豊かな環境の保護・創出に向けた課題を探った。

かつて旧・江戸城外濠には、多摩川の水が玉川上水や江戸市中を通って流れ込んでいた。現在は導水が停止して水循環が乏しく、大雨が降ると、下水が流入して水質が悪化する。2020年の東京五輪では、沿道の外堀通りがマラソンコースになるが、夏に大量発生が見られるアオコや堆積したヘドロなどによる悪臭、景観悪化が懸念されている。

都は大会を見据え、ヘドロ除去を計画的に実施しているものの、効果は一時的なのが実情。そこで、専門家や市民団体などが根本的な解決策として切望しているのが、玉川上水の清流を生かした水質浄化だ。

かつて水質汚濁が全国で最も著しかった千葉県の手賀沼では、党千葉県本部を挙げて水質浄化を後押しし、利根川の水を導水して水質を改善した例がある。また常時通水することで消火用水の確保につながり、長期的には豊かな水辺空間の再生も期待されている。こうした背景を踏まえ、党都本部は今年8月にPTを立ち上げ、水質浄化の本格的な検討に入った。

都内の4区9市を流れる玉川上水(全長43キロ)は、1965年の淀橋浄水場廃止に伴う送水の中止をきっかけに水の流れが激変。多摩川の水は、羽村取水堰から小平監視所(立川市)までの上流部12キロを流下した後、淀橋浄水場から機能移転した東村山浄水場(東村山市)へ、ほぼ全量が送水されるようになったため、その先は空堀状態となった。

やがて周辺住民から玉川上水の清流復活を求める声が高まり、公明党の要望活動などを受け、都は清流復活に着手。1986年以降、同監視所から浅間橋(杉並区)までの中流部約18キロに下水処理水が放流されるようになり、生い茂る木々の中に水辺空間が復活した。一方、浅間橋からは近くを流れる神田川へ下水処理水が排水され、役目を終えた玉川上水下流部のほとんどが、ふたで覆われたり埋められたりして、昔の面影は見られなくなっている。

一行は、羽村取水堰で多摩川の水を引き入れる様子を確認。小平監視所では、下水処理水の放流状況を確かめ、玉川上水の護岸保護について説明を聞いた。都の担当者は「国の史跡に指定されているため、文化庁の許可を得て工事を進めている」と話した。

下流部の導水方法など探る

さらに一行は、花見の名所で知られる名勝「小金井」の再生に向けて、ケヤキなどが繁茂して生育環境が悪化した玉川上水中流部のヤマザクラ(小金井桜)並木を視察。このほか、住民の声で地下水路化されずに保存された下流部の上水区間(渋谷区)や、上水を配水する水番所があった四谷大木戸を訪れ、水質浄化のための導水方法について意見を交わした。

視察を終えた竹谷座長は「玉川上水は、水質浄化を促す可能性のある貴重な存在。必要な水量や導水路のあり方など適切な方策を探り、きれいな外濠の実現と豊かな水辺環境のある、水の都・東京の復活を進めたい」と話した。

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