食育を推進する公明党
公明新聞:2017年5月30日(火)付
朝食取る子ほど学力高い傾向
国民の関心高める運動を
6月は「食育月間」。基本法の制定をはじめ、一貫して食育の充実を図ってきた公明党の取り組みを紹介します。
栄養の偏りや不規則な食事など、食を取り巻く環境は大きく変化しています。子どもたちの健やかな成長を図り、国民一人一人が健康に過ごすためにも、食に関する知識と食を選択する力を得ることが重要です。子どもから高齢者まで、健全な食生活を実践するための「食育」を広げていく必要があります。
2005年に成立した食育基本法は、国民に健全な食生活の実現に努めるよう求める一方、国や自治体に食育に関する施策を推進する義務を課しています。教育関係者や農林漁業と食品関連の事業者などにも、食育への協力や推進に努めるよう求めています。
基本法には食育推進基本計画の策定が規定されており、16年3月、第3次食育推進基本計画が決定されました。これは16年から20年までの5年間、国や自治体、学校、地域などで実施する食育運動の指針となるものです。
計画では、目標として食育に関心を持つ人の割合を75%(15年度)から90%以上に上昇させることを設定。
また、朝食を欠食する子どもの割合を4.4%(同)から0%に、若い世代では24.7%(同)から15%以下に減らすことをめざしています。
文部科学省の調査によると、毎日朝食を食べる子どもは、全く食べない子どもと比較して学力調査の平均正答率が高いことが分かっています。
第3次食育推進基本計画ではこのほかに、学校給食で地場産物や国産食材を使用する割合を増やすことや、栄養バランスに配慮した食生活を実践する人や農林漁業体験の経験者を増やすこと、食品ロス削減のために何らかの行動をしている人を増やすことなどを目標としています。基本計画に沿って教育現場などで食育が進められており、食品ロス削減のために行動している人の割合は14年に67.4%でしたが、15年には76.4%まで上昇しています。
また、食育を中心的に担う公立小・中学校の栄養教諭の配置状況は、06年の時点で25都道府県に359人でしたが、16年度時点では全都道府県に5765人まで拡大しました。
基本法制定をリード
政策提言などで充実訴え
公明党は国民の健全な食生活の実現をめざし、食育の推進に力を入れてきました。02年に発表した政策提言では、「子どもの食」の改善などを主張。翌年には党女性委員会に「食の安全対策プロジェクトチーム(PT)」(当時)を立ち上げ、勉強会や視察を重ねました。
また、05年に食育基本法の成立をリード。さらに、06年には党内に食育推進本部(当時)を設置し、食育の充実に取り組んできました。
党の食品ロス削減推進PT(座長=竹谷とし子参院議員)は16年5月、政府に申し入れた提言で食育や環境教育の充実を訴えています。今年5月に公明党がまとめた政策提言「成長戦略2017」でも、食品ロスの削減と合わせて食育の普及や、農林水産物の栄養や機能に関する表示を拡大することなどを求めています。